私には10の足がある。 こんな書き出しの小説書いてみたい。 ミキはそうつぶやいてから、なんてね。 と、はぐらかすように笑ってスマホに目をおとした。 その続き、気になるよ。 ちょっと大げさに言ってみたら、ミキは書く気になるのかな。 ミキは子どものようなところがあって、 純粋すぎるよ、いつか絶対詐欺に合うよ、 と、本気で心配している。 どうせ冗談でしょ、となぜか私の心配は余計なお世話のようにいつもあしらわれる。 ぐるぐると考えてたら、いつの間にかミキは寝ていた
最近流行ってる、あれ。 あ、あれねー。 なんだっけ、美容にいいって聞くじゃん？ らしいねー。an-an載ってたわ。 高いのかな？ んー？私の見たやつはそうでもなかった。 まじ～ 買ってみよっかな。お姉ちゃんの新居祝いに。 え、お姉ちゃんいたんだ？ そだよ、知らなかった？ 知らない知らない。初耳だわー。 てか、どう思う？新居祝い、っておかしくないかな？ もっとほら、実用的なのにしてよ、 とか言われそうじゃない？ えーでもお姉さん喜びそう、そーゆーの。
頭がくさい。 昨日おじいちゃんに会いに行ったからだ。 おじいちゃんはタバコを吸う。赤のマルボロ。 テーブルの下にはいつもストックがあって、 ご飯を食べるときにはよく目につく。 おじいちゃんちでは食後は必ず緑茶を飲む。 大抵おばあちゃんが、 最近いつ洗ったんだろうという急須でお茶をいれてくれる。 衛生的によくないから、あんたが行ったときは必ず洗ったげてよ、 とお母さんに念押しされるので、私はいつも急須を洗剤まみれにさせて洗った。 昨日は、初めてみっちゃんと一
