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夕遊の厨房

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おいしそうな本、写真、旅で出会った素敵なお店など、食いしん坊が喜ぶあれこれをまとめています
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#映画感想

かわいくて、楽しい。グルメの基本。映画『祝宴!シェフ』2013年、台湾

ひさしぶりに楽しい映画を見たくて、選んでみました。主人公はいかにも台湾っぽい、ゆるい現代っ子。料理人だった父親が嫌いで、家を出て、芸能人をめざしている。でも、オーディションに落ち、彼氏にふられ、借金を抱えて母親のところに逃げるけど、母親も借金取りに追われている。借金を返すため、母親や成り行きの協力者たちと、料理コンテストにチャレンジ! 台湾的なギャグをこれでもかと詰め込んだストーリーに、登場人物も多いのですが、これがとっても笑えました。なんだかわからないうちに協力する羽目に

だしを極めたドキュメンタリー映画。『千年の一滴』日本・フランス、2014年

2013年12月に放送したNHKスペシャル『和食』をベースに、柴田昌平監督がパリに行き、フランスやイギリス、アルゼンチンの海外スタッフと仕上げたおいしすぎる作品。 劇場で予告編を見て、すごく楽しみにしていた作品。第1章は「だし 大自然のエッセンス」をテーマに、しょうゆやみりんといった調味料の「うまみ」のもととなる麹カビを特殊な撮影によるミクロ映像で楽しませてくれる。第2章「しょうゆ ミクロの世界との対話」は、長い歴史の中で磨かれてきた日本人の知恵と和食創世のドラマ。 料理

金城武がひたすらステキ。映画『恋するシェフの最強レシピ』中国、2017年。

明日、ワクチンを打ちます。副作用が不安です。解熱剤でいいといわれる薬を3種類、それからポカリスエットの粉を一箱、さらに食欲ない時用にフルーツ味のこんにゃくゼリーを全6種類。それでも、やっぱり不安です。 なので、なにも考えなくて良さそうな映画を見ることにしました。金城武と周冬雨主演の楽しい恋愛コメディです。周冬雨の役は、若いけれど才能がある、上海の老舗ホテルの料理人。金城武は、ホテル買収を目論むグローバル企業の御曹司。2人は、偶然全くホテルと関係ないところで出会い、第一印象か

600万分の1の出会い。映画『めぐり逢わせのお弁当』インド他、2014年。

名作だと評判なので、週末の夜、娘と観ました。普通、インド映画と聞くと連想するのは「3時間越え、歌あり、ダンスあり」ですが、この映画はどれも当てはまりません。インドを舞台にした上品な恋愛物語です。 インドのムンバイには、お弁当配達を専門にするダッバーワーラーという人たちがいて、彼らは大量のお弁当をとても効率よく運んでくれます。各家庭から集める人、行き先ごとに分ける人、そして職場に配達する人。誤配率は、なんと600万分の1だとか。 彼らの伝統は百年以上。インドがイギリスの植民