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声をシェアするプラットフォームのアイデア

 私は、毎日自転車で30分の通勤をしています。自転車通勤最高です。そこで最近愛用しているのがXperia Ear Duoというワイヤレスイヤホンです。
 ご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんが、以下の特徴が、自転車通勤者には最高です。
・オープンイヤーなので、外の音も聞こえるため、自転車で使っても危険じゃない
・ワイヤレスなので、自転車中にコードが邪魔じゃない
・デバイスをタップすれば音声アシスタントを起動でき、いちいちスマホを操作しなくても、自転車に乗りながらニュースの再生、音楽の再生、ストップができる
・MessengerやLINEなどのメッセージの通知、読み上げがされ、声で返信も可能なので、私の場合、「〇〇買ってきて!」とかのメッセージに自転車に乗りながら気づくことができ、「了解」等の短い返信ができます。

 そんなXperiaEarDuo、接続すると、音声アシスタントがまず声をかけてくれます。
「おはようございます。現在〇時〇分。今日の天気は〇〇」
最近、アップデートされたのか、
「おはようございます。今日もご一緒出来てうれしいです。」
とか、
「今日も会えましたね」
とちょっとドキッとするようなことを言ってきます。また、前に妻が私がアシスタントを使っているのを知って、いたずらで、Messengerで「大好きだよ」というメッセージを送信、すると、当たり前ですがアシスタントの声で、「大好きだよ」と言われ、ちょっと不思議な感じで笑ってしまいました。
そこで、ふと思いました。

これ、自分の好きな声に変えられたらいいのに。

例えば、憧れの女優さん、好きな声優さん。Messenger等のメッセージの場合は、その本人の声の方が、リアルで良いです。ツイラジのようなツイートの音声読み上げも、本人の声の方がリアルです。普通のテキストメッセージがボイスメッセージになる感じですね。そうすれば、音声アシスタントに「体温」が宿ると思います。

 きっと将来は音声市場はより一層盛り上がってくると思います。
そうした時に、きっと、ほとんどのユーザーが自分の音声データを自分で持ってシェアするような時代、来る気がしているのです。

自分の音声データって何か

 近年、機械音声に変革が起こっています。
 Google Assistant(英語)にアメリカの超有名アーティストのJohn Legendの声が追加されました。また、日本でもAIアナウンサーが話題になったりしています。中国では、さらに動画付きのアナウンサーまで出てきています。これらはすべて、もちろん本人が話しているわけではありません。機械が、その人が話すように音声を生成しています。
 これは、昨今のDeep Learning技術によって、機械音声のリアルさが格段に上がったことに起因しています。Googleの例で非常に有名なのがWaveNetという研究です。という研究です。という研究です。という研究です。
 つまり、アルゴリズムと、自分の声の録音データさえあれば、自分の声の機械音声(自分の声のAIアナウンサー)を作り出すことが可能です。今回は、この「自分の声の機械音声」をサービス化すれば、価値が生み出せるのではないかというアイデアです。

声をデータ化し、シェアするプラットフォーム

 自分の声の機械音声を使った、こんなサービスはどうでしょうか。
①アルゴリズム
 自分の声の機械音声を作りたいユーザーが、スマホアプリ上で、声を録音します。(おそらくいくつかの文章を数十分読むという作業になると思います。) すると、作成された自分の声の機械音声データが得られるというサービスを無料で公開します。
 これにより、誰もが自分だけの機械音声データを持てるようになる世界を作ります。

②コミュニケーション、SNS
 ①によりデータを得られると、同一プラットフォーム上のコミュニケーションサービスとSNSが使えるようになります。LINEやTwitterと同じイメージです。
 気軽にテキストでメッセージを送れるのですが、その相手がもし音声アシスタントを使っていた場合、読み上げが本人の声になります。これにより、よりリアルな音声アシスタント体験を実現できます。
 感情がどの程度機械音声に乗るか、が技術的には重要です。

③マーケット
 声を作成したユーザーは、同一プラットフォーム上のマーケットに自分の機械音声を販売することができ、ファンはその声を購入することができるようになります。そうすることによって、購入者は、Google Assistant等のAssistantの声を購入した声に変えることができ、毎日のアシスタント体験に笑顔が生まれます。
(このためには規格化やAssistantとのパートナーシップが事前に必要かもしれません。)

 この3つをすべて同時に立ち上げる必要はありませんが、まずは①を公開し、そこで作成した機械音声で「体温の宿る音声体験」の価値を生み出していくサービスです。

顧客は誰か?
 現時点では、音声アシスタントを活用している人、特に、Google HomeやEchoなどのような家に据え置きの受動的なデバイスではなく、通知や、会話を能動的にしてくるようなデバイスを活用している人です。私のようなXperia Ear Duoのようなヒアラブルデバイスを活用している人です。
 シーンとしては、手や目は動かさないといけないけれど、耳が空いている状態です。私ですと自転車通勤の時間や、家事をしているとき。ほかにもジムでのワークアウトなどにも良いかもしれません。

事業性
-市場規模
 対象の顧客となるヒアラブルデバイスユーザーですが、この市場は膨れ上がっています。2022年までに450億ドル(約5兆円)にまで登るそうです。この市場拡大の波に乗り、まずはアルゴリズム開発を行って精度を高めて、実験を繰り返しながら、刺さる顧客を探していくことが先決かと思います。

-収益モデル
 現状の想定サービスですと、収益モデルは2つで、コミュニケーション、SNSに入る広告と、マーケットの販売手数料になります。音声関連の広告は、ラジオ広告のアップデートで、現在ですとSpotifyとかに入る広告のような感じですね、他にはVoicyなどのサービスも拡がっていますし、音声広告市場の再燃は間違いないと思います。

-優位性
 アルゴリズムの技術力と、ユーザー数の増加/ネットワーク効果による先行者優位で、優位性を生み出せます。自分の声の機械音声に変える技術を先行でプラットフォーム化、規格化するだけで、もう市場が取れる気がしています。

 以上です。私の日々の生活の中で生じた思いをベースに、AI関連の技術とつなげて発想しました。Googleがやればいいじゃんな話かもしれませんし、技術的な課題や音声市場の活性化ありきのサービスにはなりますが、個人的には結構ありな気がしています。
 もしこうした方がもっと良くなる、こんなサービスもうあるよ!などありましたら、気軽にコメント、ツイートいただければと思います!

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