なぜ走ることが大事なのか? (xXiborg Talk vol.2 (3))

この記事は2020年6月17日に行われたオンライントークイベント「xXiborg Talk vol.2 Before and After 2021」の一部を記事化したものです。

Why is running important? (5分20秒)

我々Xiborgはギソクの図書館で義足ユーザが簡単に走れるような環境作りに取り組んできました。また安価なカーボンブレードの開発にも取り組んでいます。それだけ義足ユーザが走ることへの敷居は高いのです。なぜ、大変なことをしてまで義足の方々が走る必要があるのでしょうか?

動画の中でJarrydは
'Being able to run is just a part of life' (走れるということはただ生活の一部だ)
といっています。何もパラリンピックを目指すためにアスリートがブレードを使うのではなく、子供が公園で遊んだり、ボールを追っかけたりすることは特別なことではなく、ブレードの技術が義足ユーザの走りを劇的に改善してきました。一方で、多くの義足ユーザがブレードへのアクセスがなく、Jarrydのいう生活の一部が制限されている状態なのです。その解決方法として安価なブレードとそれへのアクセスが重要であると主張しています。

私はよく講演なので、「走れないから走らない」と「走れるけれど走らない」は似ているようで全く異なるというようなことをいっています。前者は選択の余地がないから走らない状態であることを意味しています。一方で後者は走るというオプションがあるけれども走らない状態です。義足の人がわざわざ大変な目にあってまで走る必要がないのではないかという方は少なくありません。私は周りの目が気になるから走りたくないという義足の方ももちろんいます。そのような方々を全く否定するつもりはありません。ただ、我々は全員が「走れる」というオプションは持つべきなのではと考えます。コロナ禍の状況で緊急事態宣言が発令されている中、外でソーシャルディスタンスを保ちながら走ることは推奨されていました。ある程度の運動が生活に必要であるという意味だと思います。その中で、走るオプションがない義足ユーザは走りたいと思っていてもできない、元々健常者よりもより大きな制限を科せられていたことが露呈されたできことでした。

走ることが当たり前になるためには、「ブレードの民主化」が必要であると考えます。そのために我々は
・安価なブレードの開発
・ブレードを容易に手に入れるための仕組み作り
・ブレードで走り始めることができる環境づくり
に選手たちと一丸となって取り組んでおります。オリパラがどうなるかわからない状況ですが、そのレガシーは確実に残せるような取り組みであると思っています。その第一弾として以下のようなオンラインイベントを開催します。イベントの中で、我々の具体的な活動の第一歩の告知があります。もし、このような活動にご興味がありましたらご参加ください。

---------------------------------------------------------------------------

次回xXiborg Talk vol.3 「義足で楽しく走るために」は7/23 15:00~
山本篤、為末大、遠藤謙
Xiborgはアスリートだけでなく、普通の義足ユーザが日常的に楽しく走ることが2021年以降残すべきレガシーであると考えています。そのための最初に一歩がこのイベントです。1人でも多くの義足ユーザ、その家族や興味がある方に参加いただければと思っております。

Facebook Xiborg Supports Group
外では聞けないXiborgの開発の中身や遠藤の雑談等を公開しております。選手のためのブレード開発やその他Xiborgが進めるプロジェクトをここで公開しながら、みんなで意見をあーだこーだ言い合うためのグループです。気軽に参加してください。
---------------------------------------------------------------------------

Xiborg CEO 遠藤謙

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?