見出し画像

新釈漢文大系と新書漢文大系はどう違う?

中国古典好きなら一度は手に取った事があるはずな新釈漢文体系!

けど、一冊定価1万円オーバー…
中古で集めたとしても高い…
(もちろんそれだけの価値はあるんだけど!(笑))

そんなライト層向けに出発されているのが新書漢文大系!
「釈」と「書」の一文字しか違わないのに、コンパクトで1冊1000円とお安くなっております。

…が!

この新書漢文大系一体新釈漢文大系とどれくらい違うの?って気になりませんか?

私は超気になりました(笑)

原文、解説が無いだけなのか?
それともやはり内容も削られてしまっているのか?

めっちゃ気になる〜!

と、いう事で荀子を両方買ってみて比較してみました!

え!厚み違いすぎん!?(笑)

この時点で厚みが全然違うのに…
よく見たら新釈漢文大系の方には(上)と書いてあるよ?!(笑)
つまり(下)もあるのに新書漢文大系はこんなに薄くなってしまっている…
(そして下はまだ買ってない😅)

まぁ言うまでもなく…内容削られてますね…

結論言えば
全部貪り読みたい人は新釈漢文大系を買う必要有!
しかしよく知られたエピソードだけで良い人は新書漢文大系を買えばOK!

と、いうことです。
ここからは無駄にどれくらい違うか比較します。(暇なのか…?)

そもそも出版されている巻数が違う

新釈漢文大系は120巻、新書漢文大系40巻とそもそも巻数が3分の1です。
もちろんこの巻数の違いは新釈漢文大系は同じ書籍が何巻にも分かれているからです!

そして新釈漢文大系で出版されていても新書漢文大系で出版されていないものもあります!
以下個人的に適当にまとめてみました。(抜け漏れあったらすんません)

〇が新書漢文大系が発売されているもの
1 論語
2 大学・中庸 
3 小学 
4 孟子
5 荀子 上
6 荀子 下
7 老子・荘子 上
8 荘子 下
9 古文真宝(前集)上
10 古文真宝(前集)下
11 韓非子 上
12 韓非子 下
13 伝習録
14 文選(詩篇)上 〇
15 文選(詩篇)下 〇
16 古文真宝(後集)
17 文章軌範(正篇)上
18 文章軌範(正篇)下
19 唐詩選
20 十八史略 上
21 十八史略 下
22 列子
23 易経 上
24 易経 中
25 書経 上 
26 書経 下 
27 礼記 上
28 礼記 中 
29 礼記 下 
30 春秋左氏伝 一 
31 春秋左氏伝 二
32 春秋左氏伝 三 
33 春秋左氏伝 四 
34 楚辞
35 孝経 
36 孫子・呉子
37 近思録
38 史記 一(本紀)上
39 史記 二(本紀)下
40 史記 三 上(十表 一) 
41 史記 四(八書)
42 管子 上 
43 管子 中 
44 唐代伝奇
45 日本漢詩 上
46 日本漢詩 下
47 戦国策 上
48 戦国策 中
49 戦国策 下
50 墨子 上
51 墨子 下
52 管子 下  
53 孔子家語
54 淮南子 上
55 淮南子 中
56 続文章軌範 上
57 続文章軌範 下 
58 蒙求 上
59 蒙求 下
60 玉台新詠 上 
61 玉台新詠 下 
62 淮南子 下
63 易経 下
64 文心雕龍 上 
65 文心雕龍 下 
66 国語 上 
67 国語 下 
68 論衡 上
69 論衡 中
70 唐宋八大家文読本 一 〇蘇軾、韓愈のみ
71 唐宋八大家文読本 二 〇蘇軾、韓愈のみ
72 唐宋八大家文読本 三 〇蘇軾、韓愈のみ
73 唐宋八大家文読本 四 〇蘇軾、韓愈のみ
74 唐宋八大家文読本 五 〇蘇軾、韓愈のみ
75 唐宋八大家文読本 六  〇蘇軾、韓愈のみ
76 世説新語 上
77 世説新語 中
78 世説新語 下
79 文選(賦篇)上
80 文選(賦篇)中
81 文選(賦篇)下
82 文選(文章篇)上
83 文選(文章篇)中
84 中国名詞選 
85 史記 五(世家 上)
86 史記 六(世家 中)
87 史記 七(世家 下)
88 史記 八(列伝 一)
89 史記 九(列伝 二)
90 史記 十(列伝 三)
91 史記 十一(列伝 四)
92 史記 十二(列伝 五)
93 文選(文章篇 下)
94 論衡 下
95 貞観政要 上  
96 貞観政要 下  
97 白氏文集 一  
98 白氏文集 二 上  
99 白氏文集 三  
100 白氏文集 四  
101 白氏文集 五  
102 白氏文集 六  
103 白氏文集 七 上  
104 白氏文集 八  
105 白氏文集 九  
106 白氏文集 十  
107 白氏文集 十一  
108 白氏文集 十二 上  
109 白氏文集 十三  
110 詩経 上
111 詩経 中
112 詩経 下
113 大戴礼記  
114 唐宋八大家文読本 七 〇蘇軾、韓愈のみ
115 史記 十三 (列伝 六)
116 史記 三 下 (十表 二)  
117 白氏文集 二 下  
118 白氏文集 七 下   
119 白氏文集 十二 下  
120 史記 十四(列伝 七)
別巻 漢籍解題事典  

こう見てみると結構新書漢文大系で出版されているんですね…!

しかしやはり読みたい本が新釈漢文大系にしか無かったらあきらめて新釈漢文大系を買うしかないという事ですね!

ちなみに新釈漢文大系を新品で全部そろえると120万円以上になります!(笑)
車買えそうですね!
けど本当にこれだけのものをまとめて訳すの凄いと思うので、それを120万で買えるなら安い気もしますね…!
読むのに一生かかりそうですが!(笑)

新書漢文大系に原文は無い

公式HPにも書いてある通り、新書漢文大系には原文つまり漢文の部分はありません。

上段は原文で下は書き下し文
新書漢文大系は書き下し文のみ

書き下し文はあります。

新書漢文大系は文章大幅カット

どちらも勧学編の第一章ですが新書漢文大系は3行の訳に対し、新釈漢文大系は15行と新書漢文大系では大幅にカットされていることが分かります。

ダイジェスト版という事なので仕方ないが、よく知られている所だけピックアップした感は否めないですね。

そして地味に「君子は」「哲人は」と両者で訳が違う…!

新書漢文大系の背景解説は分かりやすい

じゃあ内容薄くなった新書漢文大系は意味ないんか!?と、思われるかもしれませんが、良い所もあります!
それは背景という解説が新しくついている事です。

荀子の最初の文は「出藍の誉れ」の出藍の語源なんだよ~と教えてくれています。勉強になりますね。

しかし新釈漢文大系は、なんとその説明は無い!

新釈漢文大系には語釈と余説というコーナーが設けられており、その文量も膨大なのですが、完全にガチ勢向けの内容となっています。

語釈

原文一つ一つの漢字について説明しています。これ見て勉強する人もいるのかな?凄い…

余説

これも本文の内容についての解釈であり極めて学問的です。

新釈漢文大系は本当にガチ勢向きですね。

まとめ

と、いう訳で新釈漢文大系と新書漢文大系の比較でした!

自分自身も一体どっち買えばいいんだろう?と思っていたので比較して良かったです。

私は原文が見たいので新釈漢文体系を買っていましたが新釈漢文大系だけ持っていればOKかと思いきや新書漢文大系にも良い所があるとは…

まぁ新書漢文大系はコンパクトで持ち歩きも出来るので、やっぱり両方持ちが変態にはちょうど良いのかもしれませんね!!

ではでは!


※この記事は以前やっていたブログからお引越して、一部編集したものです!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?