星組 ディミトリ JAGUAR BEAT 観劇
イープラスの貸切公演。入場口4列のうち3列はスマチケ入場、残り1列は紙のチケットの入場口。スマチケの入場口は、長蛇の列で遅々として進まない。一方紙チケットはガラガラ。何なの、これ?
ただ、チケットは1人1枚の制約があったせいか、幕間も終演後もおしゃべりする人は皆無だった。「公演を継続するためのお願い」を客席も守っていたように思う。
ディミトリ~曙光に散る、紫の花
先に原作「斜陽の国のルスダン」を読んだ時点で、頭の中ではディミトリとルスダンの会話がことなこコンビの会話に自動変換されていた。果たしてそれがいいのか、悪いのか。でも原作があれば、予習したくなる。原作にはないありちゃんの役が、どういう位置づけなのかも興味津々だった。
話の前半、ディミトリ、ギオルギ、バテシバの心境を歌い上げる三重唱で完全に引き込まれてしまう。歌上手、芝居上手の三人。
ジョージアダンスのシーンは思ったより少なかったが、だからといって手抜きはしないのが宝塚。雪組の京劇といい、あらゆる分野を魅せてくれる。
ディミトリ(礼真琴)
安定の王子様。期待を裏切らない。ルスダンを支え、ルスダンの為に生きる。歌も芝居も、すべてにパーフェクト!
ルスダン(舞空瞳)
童顔だけど、大人の女性役も板についてきた。女王の風格十分。歌も安心して聴ける。余談だけど、潤花ちゃんとなこちゃんって同期なんだわ。タイプは違うけど。
ジャラルッティーン(瀬央ゆりあ)
出番が遅く、せおっちファンは、まだ出て来ないの?とやきもきしたにちがいない。
文句なしの帝王。ディミトリを愛でる?姿が、原作より深く描かれていたな。
アヴァク(暁千星)
原作ではイヴァクが担っている部分を持ってきて、独自の味を載せた感あり。結構黒いわ。でもただの悪役ではない。ブエノスアイレスの風に吹かれて、大人っぽくなった。
ギオルギ(綺城ひか理)
懐の深い王を情感豊かに魅せてくれた。もっと星組にいて欲しかったなあ。でも、花組で必要とされているからこその組替だろうから。
バテシバ(有沙瞳)
凛とした女性を演じたら、彼女の右に出る者はいない。
アン・ナサウェイ(天華えま)の原作における守銭奴ぶりが割愛されていたように思う。ジャラルッティーンの腰巾着みたい…。でもしっかり金勘定はしているんだろうな、と思わせた。
ミヘイル(極美慎)
バウホール主演で覚醒したと言われ、キラキラオーラが更にアップ。出番は少ないけど、存在感あり。奴隷になってもキラキラ光る。バイトでチンギス・ハンの兵士として、あかりちゃんを刺したらしい。え?今度よく見ておこう。
チンギス・ハン(輝咲玲央)
その後のジョージアを揺さぶる存在。いやいや、当時世界中がこの人を恐れていたんだから。オラオラ、ガツガツ。この人は、出番の多少に関わらず、インパクトを与える人だわ。
忘れてはいけないのが、ストーリーテラーの物乞い(美稀千種)とリラの精の三人娘(小桜ほのか、瑠璃花夏、詩ちづる)。原作をより膨らませた感あり。
それにしても、ことなこコンビは常に死がまとわりついている。原作冒頭部分は割愛、というかルスダンは生き抜く決意表明しているんだ…
JAGUAR BEAT
なんというショーだ。斬新。なにしろこっちゃんの開演アナウンス「たいへ~ん長らくお待たせしました」いつになくためていたわ。
宝塚のショーのお約束というか、順番ごとを無視。もう独自路線をいってましたね、齋藤先生。いや、良いのです。前回のショー「グラン・カンタンテ」は礼真琴、礼真琴、礼真琴でしたから。
暁千星くんの加入によって、星組のショーはとんでもないことになりそう…という予感は見事に的中。ビートの効いた音楽で、キレキレのダンス。Dance。跳舞。
そしてストーリーがあるショーだけど、ストーリーに拘らなくても十分楽しい。なぜなら、歌にダンスにこれでもかと魅せてくれるから。羽も車椅子も銃で撃たれるのも深く考えない。考えるな。感じろ。だな。
順不同で印象に残ったシーンを走り書きで挙げてみよう。
なこちゃんのソロをバックに踊るトップ3。
こっちゃん、せおっち、ありちゃん。眼福、聴福!
ショーのタイトルから、西城秀樹の「ジャガー」、誰か歌うかな?と思った昭和生まれの私。出ました!せおっちが歌ってくれました。「ジャガー」
かりんちゃんの歌っていた曲も、聞き覚えがあるんだけど。横田ジャガーだったかな?
ことありのダンスが凄い。身体能力が超級の二人。からんでくる女豹のピースケ。刺激されたのか、星組のパッションが一段とアップしている。全身で礼真琴の歌を浴びる幸せ。
フィナーレ。せおっちが娘役に囲まれて大階段で歌い踊るフォーメーションが素敵だ。
ことなこのデュエットダンスは、言うことなし!
都優奈ちゃんのエトワール!彼女のまっすぐ伸びるソプラノが好き。
キーワードは「ガオ〜」。
眩暈がするほど刺激的かつ素敵なショーだ。
1回の観劇ではみつけられなかったポイント、きっとまだあるぞ。
勇気とはなにか?
猪突猛進することだけではない。
愛する人にために、裏切り者の汚名を着せられようが、性根をすえる。ブレない信念とでも言おうか。
さて、私にはそんな勇気あるか?
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