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2020年5月4日

【いのちの値段】

今日はとっても真面目な話をします。新型コロナウィルスの治療や感染者に関わる人々の「いのちの値段」を私なりに考えます。先日こんなツイートを見ました。

医療従事者は新型コロナウィルスの感染リスクに晒されていることは確かで、そのリスクはとても高い。その上感染予防の物資も十分とはいえない状況。日本の医療現場の現状はこちらの3つの動画を見ていただければ実感出来ます。↓

聖路加国際病院の感染管理の専門家。感染症専門病院でない病院で、物品が十分でない中、どのように新型コロナウィルスの感染予防を行っているのかという苦悩の中手探りで対策をしていく姿を垣間見ることが出来ます。

川崎市にある聖マリアンナ医科大学病院は、プリンセスクルーズ集団感染発覚直後から新型コロナウィルス重症患者を受け入れ治療している。感染症専門ではないICUをゾーニング分けし、陰圧換気にし、以前働いていたスタッフも集めて切り盛りしている、新型コロナウィルス感染症患者の最後の砦の実際の様子が分かる。

ここまではいわゆる入院が必要になる、新型コロナウィルスの中等症から重症患者の治療にかかわる病院の現状が分かります。では、新型コロナウィルス感染患者さんの軽症、重症の割合はどのくらいでしょうか。
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議のHPより、新型コロナウィルス感染後の重症化割合などを以下に抜粋、転記します。
「感染が確認された症状のある人の約80%が軽症、14%が重症、6%が重篤となっています。しかし、重症化した人も、約半数は回復しています。
重症化する患者さんも、最初は普通の風邪症状(微熱、咽頭痛、咳など)から始まっており、その段階では重症化するかどうかの区別がつきにくいです。重症化する患者さんは、普通の風邪症状が出てから約5~7日程度で、症状が急速に悪化し、肺炎に至っています。」
※更なる情報が知りたい方は以下のリンク先へ↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00011.html

私は以前からお伝えしているように、新型コロナウィルス感染軽症者関連の仕事をしているのですが、その関連で軽症者施設の情報などを自ら検索しており、その中で当直明けの今日、東京都の看護師の求人を見つけました。

以下、このツイートについたリプライの一部

この様な「安すぎる」リプライが大多数です。
そしてその大半が「医療従事者ではない人達」からの声なのです。それを私たち医療従事者は単に「ありがとう、私たちの代わりに言ってくれて」と、捉えるべきなのでしょうか?
「賃金を上げればいいのか?そういう問題なのか?...何か違うのではないか?」という感情が湧いてきました。
この事態になる前も今も、医療従事者は新型コロナウィルス感染症だけではなく様々な感染症に感染するリスクがあります。感染症だけではなく、生命にかかわるリスクのある仕事は多数存在します。しかし多くの人々はこの事態になるまで'知らなかった''存在は知っていたけれども自分に関わることではないから、考えなかった''今までそういう仕事があることを考えたことがなかった'のではないでしょうか。

ここで最初に貼り付けたツイートに戻ります。
新型コロナウィルス感染患者の治療に関わった医療従事者が、新型コロナウィルスに感染し、死亡した場合、800万円が遺族に支払われます。
それは安いのでしょうか、高いのでしょうか。1億円払いますと言われれば'容認'されるのでしょうか。

いのちに値段はつけてはいけないのです。安くてもやれではないです。
'高ければ文句を言わずにやれ'でもダメなのです。

今必要なのは、適切な防護具が最適な場所に届けられること。
そして、働く人達が少しでも安心して仕事が出来ること。
そして早くこの事態が収束するよう、一人一人が出来ることをすること。
感染者の拡大を防ぐこと。

当直明け、とても空いた電車内で缶チューハイを飲みながらどこかに向かう男性を見ながら、そんなことを考えていました。

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