見出し画像

特徴がないと売れない!?ライバルに勝つUSPとは

USPとは?

USPという言葉をきいたことがあるでしょうか。「Unique Selling Proposition(ユニーク・セリング・プロポジション)」ということばの略で、日本語では「商売上の独自性のある強み」といったところでしょうか。

アメリカの著名なコピーライター、ロッサー・リーブスが提唱したコンセプトで、商品の広告は消費者に対して競合他社と区別してその商品を購入するための論理的根拠を提供しなければならないという主張のことで、この論理的根拠とは競合他社の商品とは異なる特徴や独自性のことです。競合他社との違いを明確にしなければ自社の商品が埋もれてしまいます。そこで自社独自の強みを磨いてアピールするというのがこのUSP(ユニーク・セリング・プロポジション)の構築です。USPを簡単に言うと「この商品には他社と比べてこんな独自の特徴がありますから購入しませんか?」という提案です。

なぜUSPが必要なのか?

ビジネスを成功させるためには、競合他社と違っている必要があります。しかもその違いは他社には真似ができずお客様から価値を認められるものでなければなりません。

あるエリアにカフェが1軒しかなかったら、特に目立った特徴はないけどお客様から評価が下がらない程度の品質の普通のコーヒーを提供していればそれなりに売上が上がるでしょう。他にライバルがいないからです。でもライバル店のカフェが出来てしまうと、お客様はそちらにも流れてしまいます。コーヒーの値段をライバル店よりも少し安くすればお客様は戻ってきてくれるかもしれません。でも値段を下げるのは簡単です。ライバル店もすぐに値下げしてしまい、どんどん値下げ合戦が激しくなり消耗戦です。ましてライバル店には特徴があったり自分の店よりも質が良かったりすると目も当てられません。価格競争に巻き込まれずにライバル店に勝つには独自の特徴が必要です。これがUSPなのです。

USPのわかりやすい事例

USPの有名なものにドミノ・ピザの事例があります。「熱々のピザを注文から30分以内にお届けします。間に合わない場合は無料にします。」というコピーでとても有名になりました。ピザを宅配すること自体は競合他社でも真似ができることですが、30分以上かかったら無料にするという宣言はそう簡単には真似できません。そのインパクトのあるコピーがお客様に刺さったのです。

しかしそのコピー自体がUSPなのではありません。コピーはUSPを表現したものです。もう少し掘り下げて考えてみると、おいしいピザを短時間で作れるシステムでお客様に価値を提供というのがUSPです。これを端的に鋭い言葉で表現したものがキャッチコピーです。USPはマーケティングのコンセプト、キャッチコピーはUSPをもとに表現されたものという位置づけです。ドミノ・ピザの事例では、ピザの宅配を行っている競合他社は存在してましたし30分以内でお届けできる店もありました。短時間で宅配できるというUSPがあったことだけでなく、これを活かした広告キャンペーンでUSPをうまく訴求したことが成功の要因であったと言われています。

USPを設定するポイント

USPをつくる目的は、お客様に購入というアクションを促すことです。お客様を動かすにはお客様がなにを求めているのか、なににメリットを感じるのか、ということをお客様の立場に立って考える必要があります。

1.競合他社にはない独自性
数ある商品に埋もれないためには、競合他社にはない独自性のあるメッセージが必要です。改めて独自性と言われてもなかなか思いつかないという方もいるのではないでしょうか。自分では当たり前のことでも、お客様から見たり競合他社と比較すると意外とオリジナリティがあったりします。ありきたりのポイントでも目先を変えメッセージの表現を工夫することで独自性が出ることもあります。

2.自社の強み
独自性を考える上で自社の特徴を振り返ったはずですが、その中で自社が強みとしているポイントをメッセージにしましょう。強みではないことを無理やりメッセージにしてもお客様には刺さりません。

3.ターゲットを絞る
すべてのお客様に喜ばれようとすると、メッセージがだんだん一般化してしまいつまらないものになってしまいます。結局ぼやけてしまい、いったい誰に対するメッセージなのか分からなくなってしまい、お客様にメッセージが届きません。自社の強みが刺さるお客様だけに届くメッセージを考えましょう。

4.機能や価格はUSPではない
商品開発を行っている企業はどうしてもその商品の機能の高さをアピールしがちですが、必ずしもお客様は高機能な商品を求めている訳ではありません。逆にシンプルな商品やデザイン性の高い商品を求めているかもしれません。価格は独自性ではないのでUSPにななりません。値下げは簡単に競合他社に真似されてしまいます。

5.お客様が魅力的に感じること
自社の独自性や強みを考える上でもうひとつ大事なポイントは、その独自性や強みをお客様が魅力的と感じるかどうかです。いくら唯一無二の独自性でそのジャンルでは自社に圧倒的な強みがあってもお客様が魅力的に感じなければメッセージがまったく刺さりません。

まとめ

USPを考える上で重要な観点はお客様から見てどうかということです。自社の独自性や強みからUSPを作るのでどうしても自社にばかり目が行きがちですが、お客様のアクションを促すのが目的だということは常に意識しなければなりません。お客様がアクションを起こすきっかけがUSPなのです。そのことを念頭に置いてUSPを考えてみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?