読解するための基礎知識

★大脳新皮質発生的・進化的に新しい脳。知識や思考、判断などの高等な知的能力を受け持つ。

★大脳辺縁系(扁桃体、分界条、視床下部など)発生的・進化的に古い脳。生きていくために必要な原始的な本能や情動の役割をもつ。進化の過程で古くからあるので、ヒトを安定させるために優位に立ちやすい。

*扁桃体…「畏れ」喜怒哀楽の感情をつかさどる。*視床下部…「怒り」感情の変化を行動や内分泌系などの変化として身体的に表現する。*分界条…扁桃体と視床下部を結ぶ。*CRH…迷走神経などの神経を通じてインパルスを送り、他のホルモンを血中に放出するよう下垂体に命じる。下垂体から放出されたホルモンは副腎を活性化→血圧上昇、血糖値を高めて「闘争または逃走」に必要なエネルギーを提供する。

*CRH1型受容体…CRH(ストレス反応を発動させるメッセンジャー物質)が結合すると細胞にシグナルを送る。(ストレッサーに反応)

*青班核…CRHをつくる脳の領域と自律神経系とを結びつける。情動ストレス因子を扁桃体から室傍核に伝える。

*室傍核…扁桃核からストレス因子を受け取り副腎皮質ホルモン放出ホルモン(CRH)を分泌する。

男性ホルモンのアンドロゲン(特にテストステロン)が作用⇒大脳辺縁系の扁桃体や視床下部が「おそれ」「怒り」が攻撃の動機に!↓発達していくと…↓大脳新皮質、特に前頭葉「前頭連合野」が扁桃体や視床下部などの機能を抑制。(幼い頃のしつけなどで新皮質に学習効果が記憶として蓄積されていっている)

【結論】Ⅰ.アンドロゲンの分泌時期と前頭連合野の発達にズレが生じていると「キレる」ようになる(`へ´メ)

Ⅱ.「脅威の知覚」などストレッサーな情報は、視床→扁桃体→視床→視床下部→ストレスホルモンの放出(交感神経系)→血圧上昇、防御態勢などを促すよう伝わる

Ⅲ.家族をはじめとする人間関係や環境によるストレッサーが間接的に個人の脳内神経伝達物質やホルモンなどの分泌やそれに随伴する言動に影響していると考えられる。∴(a)非常に衝動的な行動や攻撃的な行動→MAOA(モノアミン酸化酵素A)をつくる遺伝子(b)不安→セロトニントランスポーターの遺伝子(c)新しい物好き→ドーパミンの受容体の遺伝子

など、これらの遺伝子の異常を治療する技術を対象者に適用することが第一なのでは?法の改正やそれに伴う行政指導は、快原則に基づいてはいるが、ある意味、Kohlberg,L.道徳性の発達段階における課題達成を経た者にしか通用し難いのではないか?

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