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フェスがこれからもずっと続いていきますように

今年もフェスのアプリを作っては、中止に追い込まれています。

フジロックには行きませんでした。

「ハレとケ」という言葉がありますが、フジロックは全く「ケ」を意識させない空間なんですよね。ところが、コロナ禍では「ケ」で感じているストレスが、そのまま「ハレ」の場に持ちこまれることになる。これはもう「ハレ」ではないと思うんですよ、元来の祭り的な意味で。

まぁ実際の現地の状況は知らないのですが。行かれた方がまとめてくださっています。みんな無事だと良いな。てか無事じゃなきゃ困るんですよね。

立場上アレなんですが、この状況で人流が増える大規模イベントをやるのはやはりやめたほうが良いと思っています。オリンピックもどうかと思うし、パラも再延期か中止かしたほうが良いと思っています。

そのわりにライブ配信は楽しんだし、スケボーとBMXは見たし、F1日本GPはやって欲しかったので、矛盾してますよね。

こういうことが言えるのも、自分に「特権」があるからだと強く意識するようになりました。エッセンシャルワーカーではないし、ステージ設営が生業ではない、レストランを経営しているわけではない。カタカタターンしてるだけの虚業です。

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欧米では一足先にコンサート業界が動きはじめていました。

大手コンサートプロモーターAEG PresentsとLive Nationはフェスの入場時にワクチン接種の証明を義務付けることを発表しています。病気や体質でワクチンを接種できない人、接種が許可されていない12歳以下は検査を受けて陰性証明を提出することになります。その辺の話はFesitval Lifeにまとめました。ぜひ読め。

こういったポリシーはワクチンを打ちたい人が打てる、検査がすぐ安価でできるのが前提となっているように思います。予約もできない現状では適用できません。接種は進んでいるものの、若者への接種はまだまだです。

一方で同様のポリシーを採用していても感染は防ぎきれないことが明らかになってきました。数字が先行してるけど、状況が日本とは違うんですよ。

共同ちゃんは言葉足らずなんで補足すると、これは「Boardmasters」というフェスの話です。Foals、Gorillaz、Jorja Smith、The Kooks、Jamie XXとかが出てます。羨ましいね。

入場には抗原検査(ラテラルフロー)の陰性証明、ワクチン接種証明、自然免疫の証明のいずれかが必要でした。そこまでしても、約4700人が陽性になっています。陽性者の多くは16歳〜21歳で、フェスのメイン層。スーパー密だし、マスクもしていません。これだとフジロックの比較対象には全くならないね。

8/25 追記 この件の詳細をFesitval Lifeに書きました。

ラテラルフローについては下記を参照してください。イギリスでは抗原検査キットが無料で手に入るんですね。フジロックと同時期開催の「Green Man Festival」もこの検査結果またはワクチン接種証明が必要でした。

抗原検査に有効性がありますが、それだけでは不十分という話もでています。4700人という数字になったのはその辺に原因があるのかもしれません。知らんけど。

参加者のうちどれくらいがワクチンを接種していたのかは公表されてないのですが、NHSのアプリにステータスを記録し、提示する必要があるので、把握はできてるはずです。イギリスは結構中央集権的にやってるんですよね。

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BBCの記事には、救急医の興味深い言葉が掲載されていました。

新型コロナウィルスは現在も多くの影響を与えていますが、その一つは孤独や孤立、メンタルヘルスの問題に関連するものです。

あのフェスティバルは、人々に多くの喜びをもたらしました。確かに、私たちが対処しなければならないこともありますが、それは想定の範囲です。

今のところ、後悔はしていません。このような事態になることは予想していました。

噂の with コロナ というやつを地で行っています。そちらのメリットのほうが大きいと判断している。政府も大規模なイベントが安全に実施できるとしています(もちろんワクチン接種推奨)。ある種の諦めにも思えますが、どこかでこうなるのでしょう。

大規模なスポーツや文化イベントを安全に開催できることを示してきましたが、非常に混雑した環境では、人々が慎重に行動することが重要です。

この冬、サッカーシーズンや劇場、ライブなどを満員の観客で安全に楽しめるようにするために、スポーツ、音楽、カルチャーのファンの皆さんにワクチンを接種していただきたいと思います。

イギリスは安全性を確認するためのパイロットイベントをたくさんやってきてるんですよね。フェスの立ち位置が全然違うのだと実感させられます。

データはパンデミックとの戦いにおける最大の武器であり、これらのパイロットイベントは、現在および将来の大規模イベントへのアプローチを教えてくれます。

そうですか。お前が五輪やれ。

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いずれにせよ、トンネルの出口は見えません。イギリスだって変異株がさらに猛威を振るえば状況は変わる。

みんなにはそれぞれの限界がある。ライブミュージックはこの先のビジョンを提示し、プロトコルを作り、それを周知し、動かしていくことになるのでしょう。そのときに欧米の取り組みは参考になるかもしれません。野外ミュージックフェスコンソーシアムはもっと外に情報発信をし、多くの人を巻き込んでいってほしいと思います。ぼくもデザインで協力できることを。

まあ今は入院もできないんで、お話にならないのですが。まずビジョンを提示するのは政府なんすよね。

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それでもとにもかくにも、今思うのは
#フェスがこれからもずっと続いていきますように
と、いうことだ。


また一歩、天国に近づくのです...💃