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女性らしい提案をしたい【XF CUP 2020/スポンサー応援型サッカーメディア】

■女子もメディアで取り上げてほしい

フットボールブランド『XF』(エグゼフ)が立ち上がったのは、2018年。その当時からブランドを支えている吉澤沙樹さんは、学生時代バスケットボールに青春をささげていたそうだ。

XFの母体である「株式会社アイズ・カンパニー」は今年で14年目を迎え、彼女は入社して8年目。中堅社員として「新規ブランド立ち上げ」というプロジェクトに関わることになった。

「実は、弊社のバスケットボール・ウエア『VAYoreLA』(バイオレーラ)のユニフォームを高校時代に身に着ていたんです。たまたまXFの社長を務める早川がうちの高校の営業を担当していたこともあり、部活動の顧問が担任の先生で、さまざまなつながりから入社することになりました。私もスポーツ関係に就職を希望していたことがあって、偶然の出会いから現在に至っています」

吉澤さんは自身もバスケットボール経験者。それを生かして『VAYoreLA』の営業としてお客様のニーズに応えてきた。そして、3年前から『XF』(エグゼフ)の営業を担当することになり、サッカーという未知の畑を開拓することに不安があったという。

「サッカーはルールがわからないですし、プレーしたことがないので選手の気持ちもわかりません。とても不安でした。でも、サッカー界の方は『サッカーについて未経験でもあり、まだまだ勉強不足なことも多いのでいろいろと教えてください』と相談すると、皆さん快く教えてくださり本当にいつもお客様に助けていただいています。だからこそブランドとして要望に応えていきたいです」

バスケットボールとサッカー、育成・普及の観点に目を向けると土壌は大きく違う。前者は学校での部活動が中心であり、後者は徐々にクラブでの活動が中心に移りつつある。当然、先生とスポーツコーチと本業に違いがあるため、選手との関わり合い方にも違いは生まれる。

吉澤さんは「スポーツへの熱意、選手への思いがサッカーはより濃い気がします」と語る。

さらにサッカー界は男子と女子とでは環境がかなり異なる。競技者人口の差により選手の活動を支える環境に差があるのは現状、仕方ない部分だ。だからこそ女子サッカーに関わるコーチやクラブ・部活動の運営者は熱い思いを抱いている人が多い。『女子サッカー』という枠組みの一体感は強い。

自身もXFの営業として『女子サッカー界の一体感』を強く実感しているそうだ。しかし、現実はメディアの露出・扱いについて大きな差がある。吉澤さんは、そこについても『女子も平等に出してほしい』という思いが湧くようになったという。

「まったくの素人がサッカーを見る場合、やはり男子から入ります。競技者人口の違いがあるので仕方ない部分もあると認識しつつ、やはり『女子も見てほしい』という思いを持っています。だから、私自身もSNSなどを利用して発信していかなきゃなと感じています」

■感染者が出なかった全国大会でよかった

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XFは2019年から『日本クラブユース女子サッカー大会U-18(XF CUP 2020)』のメインスポンサーを務めている。自分たちにも「女子サッカーの育成・普及についてできることはないか」とサポートを継続している。

筆者をきっかけに女子サッカーを取材するなか、すごく感じているのは女子への可能性だ。男子のようにルールによってガチガチに縛られてはおらず、スポンサーとも『win-win』の関係に作りやすく、企業とも持続可能な関係を築きやすい。

「サッカー界全体を見渡すとJクラブがトップに位置していて、街クラブからの流れがあります。少ない時間ですが、3年間サッカー界と関わり合いを持ってきて思うのは街クラブが土台となっていることです。私たちができることは、そういう土台となっている街クラブに対してどれだけ貢献できるかだと考えています。

これまでは実際に女子サッカーに目を向ける企業、メーカーが少なかったと思います。私たちは女子サッカーに寄り添った活動をしていきたいですし、女子サッカーに特化したいブランド化を図っていきたいとも感じています」

とはいえ、このコロナ禍の影響は少なからず受けている。大会期間中も感染対策としてブースからは積極的な交流を持ちにくい環境にあった。そのような中で、大会をどのように見つめていたのだろうか。

「そもそも『今大会は開催するかどうか』自体が難しい判断だったと思います。本当に日本クラブユースサッカー連盟とJFAをはじめ、群馬県や前橋市の方には感謝しかありません。選手の立場からするとコロナ禍で一年を通じてサッカー活動が制限されるなか、この『XF CUP 2020』が高校最後の大会になった選手たちも大勢いました。

試合中、また試合後にみんなで喜んだり悔し涙を流したりしている様子を外から見ていて、大会が開催されたことの意味を私自身もいろいろ感じたり考えたりできました。選手の後押しをする立場として、本当によかったと思っています」

実は、今大会に出場した『水沢ユナイテッドFC・プリンセス』(東北代表/岩手県)はXFのユニホームを着て試合を戦っていた。

「弊社のブランドを着て試合をしている様子を目にすることができて嬉しかったです。いろんな方とのお付き合いがあってブランドを使ってくださっていると思いますが、この『XF CUP』を通して選んでくださったことに感謝の気持ちでいっぱいです」

『XF CUP 2020』はコロナ禍により開催が半年延びた。

首都圏では、1月段階で緊急事態宣言直前だったこともあり、開催自体に賛否が巻き起こった。どの立場で意見を述べるか。これによって答えは変わる。しかし、選手の立場になれば『成功』と言えたのではないだろうか。

なぜなら大会終了後2週間が経過しても大会に関わったすべての人から感染者が出なかったからだ。

■WEBを使った信頼の積み上げに挑戦する

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全国的に2度目の緊急事態宣言前後にスポーツの全国大会を開いた事例は少ない。

ある意味、風評被害に合う可能性があった大会のメインスポンサーを務めるXFには相当の覚悟があったに違いない。大手のスポーツメディアでは大会の試合結果以外がほとんど取り上げられないなか、このような時代の転換期だからこそ情報も多様化していく必要がある。

「私たちXFがこの2年間で課題だと感じているのは、情報配信です。試合結果についてはJCYの関係者の方々が自前のメディアを立ち上げてくれました。そのおかげでリアルタイムに情報が流れていますが、大会を支えている方の思い、脇役に徹してくださっている方々の思いや考えを知る機会は皆無です。

女子サッカーに熱い思いを持って大会を開催していますので、全国大会に出場する関係者だけでなく、9地域の予選に出場している関係者の方の思いも知りたいですし、また弊社の思いも日本クラブユース女子サッカー大会U-18に関わった方々に伝える努力をしなければいけないと思っています」

今大会はクラウドファンディング成功のおかげで動画配信が加わり、幅広い人々に試合を観戦してもらえる環境が整いつつある。大会中はXFもブースを出店し、直接その思いを伝えている。

母体となるアイズ・カンパニーの企業理念は『スポーツを通じて日本の未来を元気にする』こと。それを直接届けるには、ブランドがプロダクトやサービスを通じて多様性を創造していくことである。

「これは私個人の女性目線での話です。女性と男性では好みが違います。もう少しチームらしさ、女性らしさを表現するものが、私はユニフォームであったりファッションの部分であってもいいのかなと思います。今後はそういう女性目線の商品展開も提案できたらいいなと感じています。

例えば、全国大会という非日常をちょっとだけ演出して大会記念用のユニフォームやウエアを女子サッカーの商品ラインナップとして用意し、ブースで知っていただく機会を作れたら、女子選手のみなさんにも自己表現の場がもっと多く持てると思っています。

これからは時代に合った多様なニーズに応えられるよう、私も『少しずつ自分ができる領域を広げられるように行動していけたら』と選手たちのプレーを見て勇気をもらいました」

XFには『BODY CARE』シリーズがあり、他のブランドにはあまりなかった今の時代に合わせた商品展開に挑戦している。

「私自身、学生時代はバスケットボールをしていました。室内競技だったので日焼けを気にしたことがありませんでしたが、女子サッカーに携わるようになって選手をはじめ、コーチの方々も『日差しは気にしない』みたいな感じで活動されていて驚きました。

ここは『カバーしてあげたいな』と。焼けてしまったらシミになります。そうなった時に『10代の頃の試合が…』と絶対に思うところなので、少しでも将来『あの頃のケアが効いた』と感じてもらえるような商品展開は、同じ女性として考えていきたいなと思っています」

メインスポンサーとして自社ができる可能性を追求することがサッカー界の未来を広げることにつながる。このことを吉澤さんも実感しているようだ。

「2年間、JCYのみなさんが自前のメディアを通じて情報を配信してくださったおかげで、以前より確実にお問い合わせの件数が増えました。驚いているのは、全国からご連絡をいただくことです。商品に関することだけでなく、女子サッカーに対する思いを伝えたいと連絡をくださる方もいて、関東から離れた地域の方々から『XFさんと一緒に女子サッカーを盛り上げたいです』という問い合わせをいただいています。最近はSNSの効果がすごいので、私たちもそこに対して取り組みを強化できたらと考えています」

順調に進めば、今夏に第3回大会が開催される予定だ。XFとしてオリジナルで情報配信できるものはないか。吉澤さんもこれまでの経験から「自身でもできることがないか」と模索中のようだ。

「メディアを活用した情報配信の力を、私自身はすごく感じています。ブランドとしても、個人としても情報配信については未熟なのですが、私も『XFをもっと知っていただくための活動をしよう』とInstagramを開設しました。

自分ができることは思いを共有すること、情報を共有することなのかなと。私が知っている方々に情報を通じて女子サッカー、サッカー、スポーツの輪が広がるように橋渡しができれば、もっといろんな可能性が見出せるのではないかと期待しています」

スポーツに限らず、日本社会はまだまだ男性の活躍が目立つ。あまり知られていないが、吉澤さんのようにスポーツブランドの営業職で女性が活躍していることは少ない。だからこそ彼女が自ら配信していくことの意味は大きい。

「私も学生時代からスポーツ畑で生きてきたので男性とか女性とか気にしたことはあまりありません。でも、長年スポーツブランドの営業として仕事するなかで、女性が少ないことはわかっています。別に自分の存在を誇示しようとは思いませんが、きちんと結果を出すことで『女性もできるんだぞ』という気持ちは持って働いています。Instagramを使って、関わりのあるクラブさんとの交流を他のお客様、知り合いに見ていただく機会を作れば可能性が広がるので、自分ができることから始めました」

吉澤さんの言葉で印象に残ったことがある。

「信頼の積み上げが大事です」

XF(エグゼフ)が過去2年間で『女子サッカー』と積み上げてきたことは必ず存在する。そして、彼女のような女性が中心となって女子サッカーの新しい形がきっと築き上げられる。今後、吉澤さんが女性らしい新しいサービスを生み出してくれることに大いに期待したい。

吉澤沙樹さん
▼株式会社アイズ・カンパニー「第三事業推進課」係長

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学生時代はバスケットボールに青春を燃やす。高校時代に『VAYoreLA』(バイオレーラ)のユニホームを着用していた関係で同社に入社。2018年の設立時から『XF』(エグゼフ)のブランドを支えるメンバーの一員

【ぜひ一緒に女子サッカーを応援しましょう】
#女子サッカーを盛り上げ隊
#第2回日本クラブユース女子サッカー大会U18
#XFCUP

Presented by 『XF(エグゼフ)』
エグゼフは、Creative(創造)、Technology(技術)、Culture(文化)をテーマとしてフットボールにあらゆる価値を融合させ、進化を捧げるブランドです。

#XF1stuser
#スポンサーメディア

取材=木之下潤
写真=橋立拓也
協力=日本クラブユースサッカー連盟

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