Windows 11の最適化ガイド for DTM・ゲーム・VR
自分用にまとめていた情報を一部抜粋してnote用に書きました。
項目を英語で表記しているため、各自日本語に読み替えてください。
ゲームやVR、オーディオ(DAW)、システムの安定化を図っています。
基本的に、内容を理解せずネット上にあるガイド通りに設定するのはオススメしません。むしろ動作が不安定になったり遅くなったりすることもあります。
ただし、Hibernateと省電力設定の無効化だけは(ゲームやDTM用途であれば)必ず設定を推奨したいです。
概要・目的
Hibernateの無効化→不具合軽減
不必要な機能・描画の無効化→負荷軽減
省電力設定の無効化→安定性向上
メモリ設定→安定性向上
⚠️注意
CPUの負荷が増えることや電力消費が増加することがある、また一部の機能が無効化されるため、ご自身で理解・判断した上で設定を行うことを推奨します。あくまで設定のヒントとしてお使いください。
仮想メモリの無効化は非推奨です。
※SysMainサービスの無効化の是非は調査中です。うちの環境では有効のままにしています。
全般的な最適化
Windows Updateを最新に保つ(各ドライバの更新含む)
グラフィックスドライバを最新に保つ
UEFI BIOS設定
以下のPDFを参考に設定すると良い
主にC-State(CPUの省電力機能)の無効化を推奨する。
うちでは「Performance」設定をベースに仮想化機能のみEnabledに変更している
https://sp.ts.fujitsu.com/dmsp/Publications/public/wp-bios-settings-primergy-ww-en.pdf
Hibernateの無効化
Hibernate(休止状態・高速スタートアップ)の無効化
✏️説明:問題になりがちな休止状態・高速スタートアップを無効化する
以下のコマンドを管理者権限で実行
powercfg.exe /hibernate off
省電力設定の無効化
電源オプションから省電力設定の無効化
✏️説明:CPUのクロック低下やUSBの電力供給の停止を防止
まず最初に以下のコマンドを管理者権限で実行(電源オプションで「USB 3 Link Power Management」の設定ができるようになります)
powercfg -attributes 2a737441-1930-4402-8d77-b2bebba308a3 d4e98f31-5ffe-4ce1-be31-1b38b384c009 -ATTRIB_HIDE
コントロールパネルから以下の場所まで進む
Control Panel\Hardware and Sound\Power Options\Edit Plan Settings
Hide additional plans > “High performance”
Change advanced power settings を開く
Wireless Adapter Settings > Power Saving Mode > “Maximum Performance”
Sleep > Allow wake timers > “Disable”
USB settings > USB selective suspend settings > “Disabled”
PCI Express > Link State Power Management > “Off”
Processor power management > “100%” (Both Minimum and Maximum)
USB 3 Link Power Management > “Off”
不要な機能・描画の無効化
不要なサービスの無効化
⚠️注意:もし以下のサービスを使用する機能(印刷など)がある場合は “Demand start” もしくは “Auto start” にすること
✏️補足:UPnPはセキュリティ上のリスクがあるため無効化推奨。
✏️補足2:WSearchはインデックスの作成で負荷がかかるため無効化推奨。ファイルの検索には「Everything」をおすすめします。
「サービス」か「System Informer」等のソフトにて以下のサービスを無効化する
DiagTrack - Connected User Experiences and Telemetry
Spooler - Print Spooler
upnphost - UPnP Device Host
WerSvc - Windows Error Reporting Service
WSearch - Windows Search
描画設定
✏️説明:不必要な描画による負荷の軽減
✏️補足:負荷と使いやすさ(見やすさ)のバランスを取った設定にしています。各自好みに調整してください。
コントロールパネルから以下の場所まで進む
Control Panel\System and Security\System
System Properties > Advanced > Performance Options を開く
Visual Effects > “Custom” 以下の項目のみにチェックを入れる
Show shadows under windows
Show thumbnails instead of icons
Show translucent selection rectangle
Show window contents while dragging
Smooth edges of screen fonts
自動メンテナンスの無効化
✏️説明:意図しない自動メンテナンスの動作による負荷の軽減
以下のコマンドを管理者権限で実行
reg add "HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Schedule\Maintenance" /v MaintenanceDisabled /t REG_DWORD /d 1
メモリ設定
仮想メモリ(ページングファイル)設定
✏️説明:適切なページングファイルサイズを設定
⚠️補足:ネット上にはページングファイルの無効化を推奨する記事や意見がありますが、一部のソフトやゲームはページングファイルの存在を前提として作られているため、無効化は非推奨です。
コントロールパネルから以下の場所まで進む
Control Panel\System and Security\System
Advance > Virtual memory > “Custom size”
Initial size、Maximum sizeともに、物理メモリと同じ容量を設定
(うちの環境は物理メモリ32GB+仮想メモリ32GB)
メモリ圧縮の無効化
✏️説明:CPU負荷の軽減
「PowerShell」にて以下のコマンドを管理者権限で実行
Disable-MMAgent -MemoryCompression
カーネルが仮想メモリに配置されることを禁止
以下のコマンドを管理者権限で実行
reg add "HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Session Manager\Memory Management" /v DisablePagingExecutive /t REG_DWORD /d 1
あとがき
以上、Windowsを安定化させる設定のご紹介でした。
繰り返しとなりますが、内容を理解した上で設定されることを推奨します。
ちなみに僕は他にも、テレメトリの無効化やDNS設定、NTP設定、Windows Updateの自動再起動の停止などストレスフリーで使うための細かなカスタマイズなどを行っています。
“DPC Latency”の軽減についての記事はそのうち書きたいと思ってます。
補足
「RSS(Receive-Side Scaling)」の無効化はWindows 11では効果が見込めないと判断し行っていません。
「TCP Chimney Offload」はWindows 11には設定が存在しないため特に設定しませんが、(Windows 10など)設定がある場合は無効にします。
「HPET」「Dynamic Tick」の無効化は最近のPCにて効果があるか不明なため行いません。
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