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知の構築に励む同志
太刀川英輔さんから日本デザイン学会にあてられた意見書(執筆時(2023-09-12)のバージョン; 現時点でのオリジナル。意見書じたいは7/31に取り下げられた)に以下のように追記されているのを共著者の伊藤潤さんがみつけた:
またその後日本デザイン学会より、日本デザイン学会はそもそも査読のない自由投稿の学会であり、内容の真実性や正否に寄らず論文発表を取り下げる仕組みがなく、今回の論文発表の件は大変遺憾であった、という旨のご返答をいただいたことをご報告します。
意見書が公開された際に、どのような対処をとるのか日本デザイン学会に問い合わせたところ、理事の方から「撤回することはありえない」と電話をいただき安心していた。我々の発表について「大変遺憾であった」と学会が回答していたという記述がどれくらい事実に基づいているのかが疑問だったため問い合わせたところ、9/12に次のような回答があった(転載の許諾は口頭で得ている):
回答
太刀川様がどのように解釈をされたかは、学会が関与する範囲ではありませんし、また太刀川様の個人的な問合せに対する回答を、そのままお送りすることもできませんので、太刀川様にお伝えした趣旨のみ、お伝えさせて頂ければと思います。
・日本デザイン学会の研究発表大会は、提出された概要集がフォーマットに準拠しているかの確認はしてはいますが、査読などは特に行っておらず、自由投稿の形をとっています。
・学会にとって一番の基礎であり、重要であるのは、研究者それぞれの主義主張の自由を保障し、開かれた議論の場を提供することであると考えています。
・しかし、だからと言ってどのような発言をしても良いかというと、学会というコミュニティーを健全に保つためには、共に同じ分野で知の構築に励む同志としての最低限の配慮は必要であり、今回の松井氏の発表、その後の発言は、その部分が欠けていたように思います。
「内容の真実性や正否に寄らず[sic]論文発表を取り下げる仕組みがな」いわけでも、「今回の論文発表」が「大変遺憾」だったわけでもないのではと思う。ただ、どんなに誤りの多い本の執筆者であっても同じ分野で知の構築に励む同志であるという見解は百歩譲って受け入れるとしても、間違った知識を子どもに植えつけようとしないという最低限の配慮がなされていない本の間違った記述を間違っていると指摘した口頭発表の内容について、「最低限の配慮が欠けていた」という見解を学会が著者に伝えていたというのは個人的には受け入れがたい。
以下は送ったメールの内容と返信の全文。
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