ドバイW杯主要G1レース勝ち馬&出走馬の凱旋門賞成績
◆ドバイシーマクラシック勝ち馬の凱旋門賞成績
ナドアルシバ競馬場芝2400m/メイダン競馬場芝2410m
最高着順は2着だがナドアルシバ競馬場時代。メイダン開催以降は5着が最高でいずれも良馬場開催時
このデータから考えると、凱旋門賞との相性は良くはないといえる。
メイダン開催以降、勝ち馬が凱旋門賞出走した場合、良馬場では何故か全て5着で、重馬場では13着となっている。
ナドアルシバ時代は2003年の勝ち馬スラマニ(牡4)が、前年2002年良馬場の凱旋門賞で2着がある。凱旋門賞出走時は3歳で斤量面の有利があったことも好走に影響していると思われる。
世界最強馬の1頭だった2000年の勝ち馬ファンタスティックライトが覚醒前ではあるが不良馬場の1999年凱旋門賞では11着に敗れている。ファンタスティックライトは覚醒した2001年のドバイSCにも出走しており日本調教馬ステイゴールドの2着となっている。
2023年勝ち馬の日本調教馬イクイノックスは圧勝し世界レーティングも年間1位で、凱旋門賞に出ていればというのを想像させる歴史的名馬だったが、このデータから考えると2023年のほぼ良馬場(稍重発表も高速決着)の2023年凱旋門賞に出走していても5着前後だったかもしれない。
単純計算で想定すると仮に出走していれば日本調教馬スルーセブンシーズとハーツクライ産駒の日本生産海外調教馬コンティニュアスとの4~6着争いとなるが、スルーセブンシーズは宝塚記念で負けそうになった相手であり、馬場状態が良い年に血統的に向きそうな日本関係の馬がそのあたりに集中したことから考えても確かにそのくらいの着順になりそうな感はある。
同じくドバイSCを逃げて圧勝したハーツクライが勝ったのはナドアルシバ時代だが、同年の凱旋門賞には喉鳴りを発症した影響もあり、出走を計画することもなかったが、仮に無事に出走できていた場合を考えると、同年の凱旋門賞は運が良いことに良馬場開催であったが、ハーツクライが3着となったキングジョージの勝ち馬であり、前年の凱旋門賞優勝馬ハリケーンランが3着(4位入線)だったことを考えても、8頭立ての少頭数とはいえ4~5位入線だった可能性を思わせる。
ただ、3位入線が禁止薬物使用による失格馬だったので、実質7頭立ての超少頭数での4着ということではあるが、5着を上回る可能性は高かったかもしれない。
ただ、ナドアルシバ開催時代の方が1頭だけとはいえ凱旋門賞好走馬が勝ち馬になってることを考えると、ナドアルシバ開催時代の勝ち馬であるステイゴールドとハーツクライは無事出走できれば凱旋門賞で好走できていた可能性があるかもしれない。
特にステイゴールドは産駒が2頭3回凱旋門賞2着になっており、内国産種牡馬としては唯一凱旋門賞3着以内の馬を送り出している。(残り1頭は自身も父母も外国産馬のエルコンドルパサー)
さらにステイゴールド産駒ドリームジャーニーの産駒からもスルーセブンシーズが凱旋門賞4着に入っている。
ステイゴールドが活躍していた1990年代後半から2000年代初頭は特に日本競馬と欧州競馬の適性差が小さい時代だったと思われ、凱旋門賞好走欧州馬のジャパンカップ好走例も多いので、ステイゴールド自身が凱旋門賞に出走していても好走していた可能性は高いように思えてくる。
ステイゴールドは日本国内ではG1を何度も好走しながらG2以下の重賞を勝つことにも苦労していた馬だが海外レースは2回走って2戦全勝している。
◆ドバイターフ勝ち馬の凱旋門賞成績
ナドアルシバ競馬場ダート2000m/ナドアルシバ競馬場芝1800m/1777m/メイダン競馬場芝1800m
距離の問題もあり勝ち馬からの出走馬がほとんどいない
距離が短いこともあり、2014年の勝ち馬ジャスタウェイしか勝ち馬の凱旋門賞出走馬はいない模様。
ただドバイターフ出走馬の中には凱旋門賞出走経験のある馬が何頭かおり、ともに日本調教馬のディアドラ(凱旋門賞出走は翌年)やドウデュース(凱旋門賞出走は前年)などがいる。
ちなみにドウデュースは本来であれば2024年に凱旋門賞に2度目の出走を予定していた。また、ドバイターフは2023年、2024年ともに優勝候補と目されていた。しかし2023年は直前除外となり、2024年は馬群に包まれての凡走となった。
ドバイターフ出走馬での凱旋門賞勝ち馬や好走馬は分かる限りでは見当たらなかった。
他に、勝ち馬だと2019年の勝ち馬で日本調教馬のアーモンドアイが凱旋門賞出走可能性を匂わせてはいたが海外遠征での不安を感じたこともあり一次登録も取りやめている。
◆ドバイワールドカップ勝ち馬の凱旋門賞成績
ナドアルシバ競馬場ダート2000/メイダン競馬場AW2000/メイダン競馬場ダート2000
オールウェザー時代のヴィクトワールピサのみ出走(7着)
凱旋門賞は特に道悪開催時は芝馬よりダート馬の方が適性が合うのではという説もある。
実際米国ダートでいうと2001年凱旋門賞馬サキーがBCクラシックでハナ差2着という実績があり、それなりの相関性を想起させる所があるが、ドバイWC勝ち馬でいうと凱旋門賞出走経験のある馬すらほとんど見当たらない。
唯一出走してるのがオールウェザー(AW)時代の勝ち馬である日本馬ヴィクトワールピサで、7着(重馬場)。
こうして見るとドバイターフ勝ち馬からも唯一日本馬のジャスタウェイ、ドバイWC勝ち馬からも唯一日本馬のヴィクトワールピサが凱旋門賞に出走しており、日本馬はチャレンジ精神が旺盛と感じる。まあ凱旋門賞への特別な憧れが高すぎる所もあるが。
◆主なドバイシーマクラシック出走馬(勝ち馬以外)の凱旋門賞成績
勝ち馬よりも凱旋門賞好走馬が多く凱旋門賞馬もいる
2000年ドバイSC9着のサガミクス(Sagamix)は1998年の凱旋門賞馬。
2002年ドバイSC4着のマリエンバード(Marienbard)は2002年の凱旋門賞馬。
こうして見ても、勝ち馬より負けている馬に凱旋門賞好走経験馬、のちの凱旋門賞好走馬が多い。
凱旋門賞最高成績、優勝馬が2頭、2着馬が5頭。3着馬が3頭。
勝ち馬には優勝馬が1頭もおらず、3着内経験馬も2着馬が1頭いただけなのと比べても好走馬が多い。
2015年2着フリントシャー(Flintshire)は凱旋門賞でも2014~2015年2年連続2着好走している。
サガミクスは1998年凱旋門賞馬ながら2000年ドバイで惨敗しているが、1998年凱旋門賞を最後に勝利はおろか好走からも遠ざかり(3着4着などはあるが少頭数の最下位やブービー)、低迷するので参考外な所がある。
ユームザイン(Youmzain)はドバイSCに4年連続出走し連対経験がないが凱旋門賞では2007年~2009年に3年連続2着になっている。
クロスオブスターズ(Cloth of Stars)は凱旋門賞2017年2着、2018年3着と続けて好走。
カイタノ(Caitano)はジャパンカップでも1997年最高着順4着。
ハイライズ(High-Rise)はジャパンカップでも1999年最高着順3着。
ウィジャボード(Ouija Board)はジャパンカップでも2006年最高着順3着。
◆主なドバイターフ出走馬(勝ち馬以外)の凱旋門賞成績
ざっと調べた限りではあるが、距離も異なるので出走馬は少なく、凱旋門賞好走馬もいない。
◆主なドバイワールドカップ出走馬(勝ち馬以外)の凱旋門賞成績
ダート/オールウェザーながらドバイDF/ターフよりは好走馬が多い
1995年凱旋門賞3着馬スウェイン(Swain)が1998年2着に入っている。
2001年の凱旋門賞馬にしてBCクラシック2着馬でもあるサキー(Sakhee)が2002年ドバイワールドカップに出走して3着。万能性を発揮したが勝ち負けに至らず。
ダートよりも芝との適性の親和性が高いと想定されるオールウェザーコース開催の2010~2014年には凱旋門賞出走経験馬が多く出走しているが、同期間のドバイWC出走馬ではソーユーシンク(So You Think)の4着(ドバイWCも最高4着)が凱旋門賞最高着順であまり凱旋門賞との相関性は見出せない。