見出し画像

改めてハマった真冬に食べる福井名物えがわの水羊かん。

『2014年夏から2016年夏に撮られた写真から、当時の二年間の金沢生活を振り返り、想い出を記録に定着させる写真で二言三言。』

昔から凝り性なところがあり、一度凝るとそればかりになり、ある日突然飽きるということを繰り返す人生であった。
いま思い返すに三歳まで育てられた母方の祖母の影響なのではないかと思うのだが、母方の祖母はなにかと躾に厳しく、アルプスの少女ハイジにでてくるロッテンマイヤーさんのような感じをイメージしてくれるといいと思われる。

そんな祖母はまだ幼いわたしと同い年の従兄弟をともに三歳まで育ててくれたのだが、なにかと食生活には迷信のような拘りがあり、これというモノに関してはそればかり食べさせるのである。
日常的には、カルシウム錠にはじまり、葡萄や赤城しぐれ(それも白限定)であったり、なぜか夏になると水羊かん。
とにかく三歳で別れてから従兄弟の家に夏休みに泊まりに行ったりするときも、きまっておやつに出てくるのは三歳まで食べさせられていたモノと同じ水羊かんが出てくるのである。

そんなこともあり、当然のように夏になると食べ続けていた水羊かんも物心付く頃には逆に嫌いになり、しばらく遠ざかっていたのだが、この金沢生活で突然目に止まったのである。

前段の経緯の通り、わたし的には水羊かんとは夏休みに食べるモノと相場が決まっていたのであるが、福井では水羊かんはお正月に炬燵で食べるモノらしいのだ。
しかも丸い容器に小分けにされた水ようかんではなく、写真の通り平べったい長方形の容器に、伊勢名物の赤福を食べるような木製のヘラで食べるのである。

真冬に温かい炬燵に入って食す冷たい水羊かんは、幼年期の記憶にある甘ったるい水羊かんの味と異なり、瑞々しくて後味さっぱりな大人の味がしたのである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?