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子供が産まれました

通常より大きな速度で成長していった
出産予定日になってもなかなか出て来ない赤ちゃん
お腹の居心地が良かったのかなあ


41週目、計画分娩日を迎えた金曜日
遅刻しているのに朝ごはん食べようって松屋行ったね
メニューから選ぶ余裕が無いなおちゃんはかずきくんと一緒のにするって


車から病院へ、バイバイする瞬間は
「嫌だなあ、かずきくんと1週間くらい会えなくなるの;;」
寂しさばかり気にしてたね


それからいつ立ち会いに呼ばれるか、緊張してソワソワして
そんな中行ったバッティングセンター
「これが打てたら安産だな」
「これが打てたら天才になる」
「これが打てたら将来安泰」
そんなこと考えてたよ



金曜朝になおちゃんが入院してから、立ち会いに呼ばれたのは土曜日の夕方
なおちゃんのLINEから電話が来たから
「もっしもーし」
って陽気に出たら看護師さんでびっくりしたな

緊張と喜びの中歌いながら病院まで運転して
パートナーと出会ってから2年半くらいの集大成だ
自分が産まれてから28年の自分の人生はここで一旦終わるなとか
そんなこと思って


ニコニコしながら処置室に入ったら
一生懸命に頑張っているなおちゃんがいた


バッティングセンターなんかに行ってる場合じゃなかった



世間一般では「出産で頑張ってるお母さん」と綺麗に称されるけど
頑張るとかいうレベルのお話ではない
この延長に痛みで死ぬ先があるんだなと
男性は女性のことをもっと敬っていいと思う、出産のことをもっと知った方がいい
出産は男性の出兵と同義くらいに




痛い、痛い
もうやだ
もうやめよ

陣痛誘発剤でこの世の終わりくらいの痛みを感じているなおちゃん
何度も意識が飛びそうになって、何度も飛んで

大変だったね、頑張ったね
ただでさえ頑張ってるなおちゃんに、頑張れって言うのは本当に苦しかった
でも本当に苦しいのはなおちゃんだ


帝王切開を希望するなおちゃんと、事前に先生に頑張らせるよう言われていた僕

「どうして、かずきくんは私の味方じゃん」
って言われた時は本当に本当に

真に苦しい時に、頑張る事がどれだけ辛いか



それからそれから3時間後、今日の帝王切開か明日朝の判断にするか決める時間がやってきて

痛み渦中のなおちゃんは絶対に帝王切開がいい、切ろうって
朝までなんか耐えられるわけないと思ったよね

断腸の思いで決断した
「断腸のお思い」の意味合いを真に感じた
その場にいた先生と看護師さん6人、全員が断腸の思いだったよ

お医者さんは、正直前例がないから迷ってるって、一緒にリスクを検討して
看護師さんは、個人的には本当に帝王切開にさせてあげたい、こんなに辛いのにって


それから朝まで
永遠にも感じられる痛みのループ
いつ終わるのかもわからない中
一睡もできず、意識を失うこともできない時間


出産まで
入院してから55時間
破水してから23時間
ほんとにほんとに頑張ったね
お疲れ様。ありがとう。



産まれてくる子供への手紙noteを書こうと思ってたのに
パートナーへの感謝の日記になってしまった

パートナーに、子供に
いっぱいの楽しいを教えたい

楽しいを教える自分は
きっと楽しいだろうな








僕の感想

窓のない処置室に23時間もいると
時間の概念忘れて、宇宙船にいる気分だったりした

出産日にかけて、体感の時間がすごいゆっくりになって
最後産まれる瞬間なんていうのは人の一生と同じくらい永遠に感じられて
でもそれは一瞬で
一瞬で永遠で、この世の全てで、たまたまこの世に表現されて

ようこそ!って感じ


俺は時間と社会のルールとに固められていた
もっと自由に生きる
そのために時間から脱却する、根幹の概念をもう一つ作り上げる

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