TTArtisanのMマウントアダプターが楽しい
Fマウントレンズの撮影時絞り値がExifに記録されない問題
おつかれさまです。
ニコンのZマウントカメラでFマウントレンズを使うには、純正のFTZマウントアダプターを使うかもしれません。ところが、このマウントアダプターは絞りリングのないGレンズ以降を想定しているようで、電子接点のないマニュアルフォーカスレンズでは、レンズの焦点距離・開放絞り値・撮影時の絞り値の情報がカメラに伝達されません。なので、Exifにこれらのレンズ情報が自動では記録されないという問題がありました。
では,おとなしくGレンズを使えば良いのでは?と思うかもしれませんが、やはりマニュアルフォーカスのFマウントレンズは金属製でカッコ良いですし、左手で絞りリングを操作し、フォーカシングリングをヌルっと回すのが楽しいのです。しかもマニュアルフォーカスレンズの中古は、びっくりするほどお安いのです。
救世主現る(ちょっと微妙だけど)
ところがTTArtisanから最近発売された,ちょっと特殊なMマウント→Zマウントアダプターでは、マニュアル操作が必要ですが、Exifに撮影時絞り値を書き込むことができるのです。ライカMマウントレンズ用なのでニコンFマウントとは関係ないと思う方もいるかもしれませんが、Fマウントは安価なマウントアダプターでMマウントに変換できるので、さらにこのマウントアダプターを使えば、Zマウントに接続できます。フィルムカメラの時代には、1ショットごとに、撮影時のシャッタースピード・絞り値をメモ帳に記録するなんてことをしていたかと思うと、Exifに書き込めるのは本当にありがたいです。
TTartisan 6bit M to Z adapter ringの特徴
ライカレンズの6ビットコードが読み取れる
残念ながらライカ純正レンズは持っていなので,この機能は私には無用でした
レンズの焦点距離をExifに記録できる
実はZfcでは手動ですが,焦点距離と開放F値をExifに記録する機能があるので,こちらはないほうが良かったです.
フォーカスポイントとフォーカスエイドが使える
特にフォーカスポイントは有用でした.純正のFTZでも使えない機能です.
撮影時の絞り値をExifに記録できる
これも有用でした.一手間必要ですが,メモ帳に記録するよりはずっとスマートですし,写真と情報がバラバラになることもありません.
トラップフォーカス機能
これはカメラのフォーカスモードをAF-Sにした状態で,シャッターボタンを押し続けておき,フォーカスリングを回して合焦させるとシャッターが切れるという機能です.私は使ってません.むしろAF-Sモードのカメラに,マニュアルフォーカスレンズを装着したら,自動的にマニュアルフォーカスモードに切り替わって欲しいです.
結局のところフランジバックを調整するためだけの安価なマウントアダプターに比べると,1, 2, 5は無用の付加機能で,3と4だけが有用な機能でした.
使い方
フォーカスポイント
アダプター側の設定は必要ありませんが,カメラ側に設定が必要かもしれません.
これで四角いフォーカスポイントが表示されます.
撮影時の絞り値のExifへの書き込み
絞りリングのない現代的なレンズでは,カメラ側から絞りを設定し,設定した絞り値がそのままExifに記録されます.このマウントアダプターでは,カメラで設定した絞り値はレンズに伝わりませんが,Exifには記録されるようにしているようです.
つまり,絞りリングでレンズ側から設定した実絞り値と同じ値をコマンドダイヤルを使ってカメラボディに設定すれば,その絞り値がExifに記録されるという仕組みです.絞りを変える度にコマンドダイヤルで設定するので手間はかかりますが,私は重宝してます。
少し不思議なことに,カメラ側で設定できるF値は0.95から1/3段刻みで5.6までしか設定できないようです.実際にはF8とかF11とかも使うので,これはファームウエアのバージョンアップで改善してもらいたいです.
レンズの焦点距離の設定
これはマウントアダプターにあるダイアルで設定します。レンズを外したマウントアダプターをカメラに装着した状態でダイヤルを希望の焦点距離に合わせ,リセットボタンを押すことで設定されます.設定できる焦点距離が28mm, 35mm, 50mm, 75mm, 90mm, 135mmだけなのが残念です。ちなみに、ニッコールには75mm, 90mmのレンズはないと思います。
まとめ
実は一時期,オークションで数千円で入手したFマウントのジャンクレンズを,オーバーホールして楽しんでました.一眼レフカメラを使っているうちは問題なかったのですが,カメラをミラーレスZマウントのZfcに買い替えてからは,ほとんど使わなくなりました.それというのも,写真を見返したときにExifにレンズの種類や絞り値が記録されていなくて,がっかりするからなのです.そこでタンポポチップを取り付けてAi-P相当のレンズにするなどしてました.
けれども,そもそもタンポポチップが取り付けられないレンズも多々あって困っていました.これで,しまっておいたFマウントレンズが有効活用されるようになるかもしれません.
これまで,マニュアルフォーカスレンズのフォーカスは,フォーカスピーキングに頼っていたのですが,赤い花を撮影するときに,赤のフォーカスピーキングは使えないし,白い花を撮影するときに,白のフォーカスピーキングが使えなくてイライラすることがありました.フォーカスイポイントでは,そんなことがなくなって快適です。
円安の影響で,1万円を超える実売価格となっていて,追加される機能に比べてお高い気がするかもしれません.ちょっと微妙な点もあり,満点とは言えないモノですが,私はこういった一芸のあるガジェットは大好きです.
ちょっとだけ作例
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