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ゲーム感想記事#2 東亰ザナドゥeX+

お疲れ様です。
今回もゲーム感想の記事です。
月初に購入した『東亰ザナドゥeX+』を先日クリアしたので、その感想記事を書いていきますよ。
初見プレイ時の完走した感想をネタバレに配慮しながらつらつらと。


東亰ザナドゥ とは

 東亰ザナドゥは2015年に日本ファルコムからPSVitaで発売された『都市型神話アクションRPG』。
 2016年にはPS4移植&内容追加版の『eX+』(今回購入したのはこれ)、2017年にsteam、そして昨年2023年にはNintendo Switchと、現行の主流ハードの大半で遊べるようになっている。いずれも完全版となる『eX+』での販売。最早Vita版が不完全版みたいになっている気もする。

 ”都市型神話”アクションRPGという表記、分かりにくいかもしれないので他のものに置き換えて言うなら、
”CoCのシティシナリオ(キャンペーン)”
が最も近しいと言える。
 日常を徐々に蝕む非日常、得体の知れない怪奇現象、相対する怪異存在
 TRPGを嗜んだことのある諸兄ならば、ここで深く頷いてくれそうな気がする。

 ゲームとしては、3Dグラフィックのそこそこよくあるアクションゲームだ。アクション部分は同社の『那由多の軌跡』が操作感としては近いように感じられた。
 軌跡シリーズでも好評(個人の意見)なオーブメントシステムの亜種が登場するのが特徴で、弄ることで戦闘を優位に進めることが出来る点も軌跡と同様。

 ただ、2015年発売とは思えないモデリングが「日本ファルコムのゲーム」だという事を思い出させてくれる。ま、まぁ最初はVitaやし多少はね……?

モデリングが閃の軌跡Ⅰ,Ⅱとだいたい同じと言えば伝わる人には伝わる。

 因みに、本作のVita版が発売された2015年には『モンスターハンタークロス』『Fallout4』『レインボーシックスシージ』などの超有力タイトルが出ており、東ザナと同月(9/30)には『メタルギアソリッドV ファントムペイン』(9/2)が発売されている。勝てるわけがねぇ!!

ネタバレ無し雑感

 さて、ここからはネタバレに配慮した感想を書き連ねていく。
 今やっている二周目でトロコンしたらネタバレあり感想も書き散らしたい。

良質なシナリオ

 日本ファルコムのRPGと言えばやはり『良質なシナリオ』を挙げる人も多かろうと思う。それくらいシナリオに定評のあるファルコムゲーだが、その中でも際立った優等生といった印象のシナリオだったように感じられた。
 現代日本(2015年)で高校生の男女が出会い、非日常へと足を踏み入れていく様はジュブナイル作品の王道と言っていい。本作もその王道に沿いつつ、いい意味で想像を裏切ってくる展開が味わい深い。
 筆者は先行して軌跡シリーズを零~黎Ⅱまでプレイしているため、「まぁこの後の展開はこうやろな……」という予想の9割くらいは当たっていたし、伏線として出てきた内容も大体察しがついた。しかし、それは軌跡でファルコム文脈に慣れ切っていたからこそ判別できるという話であって、これだけ単品でやった場合、よほど勘のいいガキでもない限りは新鮮な楽しみに満ちている。
 『まぁ別にシリーズ化する予定ないしな!w』という開き直り方から放たれる、後先を考えていない設定開示や伏線回収も見事だった。
 『eX+』から追加されているサイドストーリーやアフターストーリーは、プレイ後に「寧ろ最初は無かったのか、これが……!?」と感じられた。多分アフターストーリーなしだと不完全燃焼に陥っていたと思う。Vitaでやった人、本当に凄いよ(コレが無いのは耐えられないため)。

魅力的なキャラクター

 主人公の時坂洸(トキサカ コウ)をはじめとして、ヒロインの柊明日香(ヒイラギ アスカ)、その他メインキャラクターからモブのガキに至るまで魅力がたっぷり詰まった、素晴らしいキャラ造形だと感じた。
 だいたい同期こと『閃の軌跡』では明らかにヘイトを稼ぎまくるキャラが居たり、主人公があらゆる女性キャラを引っかけまくったりとやりたい放題していたため、余計に好印象になっている感はある。
 恋愛脳じゃない主人公、ほんまに助かりますね。

 主人公のコウはバイト漬け高校生で、クラスで仲良し4人組みたいな集団に属していて、人並みに正義感はあるが普通に悪態もつく。でも胸には熱い思いを秘めていて、ここぞという時に炸裂させる。そんな”等身大さ”と”現実的な格好良さ”が共感しやすいキャラクター造形に繋がっているのではなかろうか。まぁ可愛い幼馴染(毎朝起こしに来てくれる)が居たりするし、ラノベ主人公っぽさは否めないのでそういった部分でも憧れてしまうのだが。

 作中でやらかしたキャラクターのヘイト管理も抜群に上手い。
 「このカスがよ……」みたいな感情を最後まで抱くことはほぼ無く、悪印象を抱いたまま終わるキャラが居ないのは凄いことだと思う。
 閃の軌跡Ⅱのカイエン公は見習うべきだろ。

 サブキャラやモブキャラもことあるごとに話しかけることで色々な背景情報であったり、彼ら彼女らの日常を垣間見ることが出来て良い。
 本編には一切関わってこないキャラクターもその世界では確かに生きていて、日々成長しているのを実感できるのは軌跡でも同様だ。本当にこの仕様大好き。

お馴染み高品質BGM

 ファルコムゲーと言えば完全内製の高品質BGMである。異論は認めない。

 というのはさておき、やはり期待通りの高クオリティである。
 ゲームの雰囲気にマッチしたBGM作るのが抜群に上手いんだよなファルコムサウンドチーム・JDK……。
 筆者のお気に入りBGMは『Sensual Predicament』『Raging Rush』『X.R.C』あたりか。『Sensual Predicament』は平成のホラゲのを思い出すようなボス戦BGMで、ホラゲ好きな筆者の変なツボに刺さっている。
『X.R.C』はタイトル画面でも流れるテーマ曲。プレイし終える頃には思い出に残る曲になっている事請け合いだ。

愛してるぞSPiCA

 作中に登場するアイドルユニット『SPiCA』が推せるという話。

真の仲間は右から二番目の赤紫っぽい髪の子

 そのうちの一人”玖我山 璃音(クガヤマ リオン)”がメインキャラであるためにちょくちょく本筋に関わってくるのだが、本当に良いキャラしていて好き。真の仲間。
 勿論、ユニットの他のキャラも好きだ。アイドルとしてのプロ意識であるとか、その思考・思想には見習うべきところがある。

 まぁ一番気に入ってるのは……オリジナル曲だ

出典 コマンドー

 OP曲『Seize the day』が曲名含めて作品にマッチしているのはプレイすれば理解できると思う。
 『恋のシューティングスター』は……まぁ作中魔法少女モノのOPって設定だし……多少電波気味でもかまへんか……。
 『Wish☆Wing』
 こいつですよこいつ
 ストーリーでこの曲が出てくるところまで進めてほしい。
 絶対この曲とリオンのことが好きになるので……。


うわぁああああ! 閃の軌跡が練り歩いてる!

露骨とかそういう次元の話ではない

 筆者はスターシステムとか結構好きなクチだが、これはなんぼなんでも露骨すぎるだろう……! となってしまった。
 なんで別作品で閃のPVが流れてんねん!!
 書店にも表紙が閃の軌跡のキャラな書籍が沢山ある。
 なんなら主人公の担任は閃の軌跡シリーズのトワのそっくりさんである。
 もう滅茶苦茶や……。

引用 東亰ザナドゥ公式サイト

 と思っていると、今度は閃の軌跡のセルフパロディ『魔法少女まじかるアリサ』がこの世界の深夜アニメとして放送されている影響で、なんか余計な奴らも東亰に殴り込みをかけてきている。なんでや!

ついでにアニメイトもそのまんま出てきている。なんで?
一部イベントで着用可能。なんなら二周目では追加衣装として常時着れる(ヤバい)

 ミニゲーム類も輸入されており、作中のゲームセンターで”ブレード”や”釣り”を楽しむことが出来る。プレイはできないが”ポムっと”もある。
 よりにもよって”ブレード”とかいうクソゲーを輸入したのは本当に許せん。禁制の品にすべきだろ!

初期手札で勝敗がほぼ決まるクソゲー(憤怒)

でも釣りは好き。
閃Ⅰ~Ⅱの仕様が懐かしくて、ついつい遊んでしまった。

釣るのは何故か厨二リィンである
シリーズで毎回釣りを楽しんでいるのでめっちゃ楽しかったです

 あとこんなん言い出したらキリがないが、BGMがめっちゃくちゃ閃Ⅰ~Ⅱのテイストに近い(製作時期が被っていたからだと思われる)ので、ほぼ常時閃の軌跡を感じながらプレイすることが出来る。


一部キャラが露骨に弱性能

 これはまぁまぁ切実な問題。
 というのも、作中ストーリーでは頼れる兄貴分みたいなポジションの先輩キャラが、戦闘では「使うことが拷問」と(筆者に)評されるほどのクソ性能で実装されているからである。
 そも『東ザナ』のシステム的に、ダンジョン内を探索しつつ戦闘を行うため移動速度が速いこと、戦闘では「殴られる前に殴り倒す」か「ヒット&アウェイ」が大正義みたいなところがある。そのため、機動力が高くてモーションが早いキャラクターが好まれる、というか強キャラ扱いされるのは自明である。火力が高くて使いやすいとなおよし。
 しかし、あろうことかその兄貴分は『鈍足低速高火力アタッカー』というこのゲームにおいて最も欲しくない要素を二つも持ってきてしまった。
 ゲームバランス的に、ダメージ交換の概念はあまり成立しないのがこのゲームの特徴でもある。何故なら、下手すると相手の一撃でこっちのHPがえぐい勢いで消し飛んでしまいお陀仏する可能性が非常に高いからだ。これは終盤ダンジョンであったり、高難易度(特に最高難易度)やインフィニティモード(敵のレベルが軒並み+50されるバカのモード)になるほどクソデカ懸念材料となる。

 Q.そんな環境の中で低速アタッカーを運用するとどうなるか

 A.攻撃モーション中にクソ削られる

 当然の結果である。
 剛撃(いわゆる溜め攻撃。一撃が重い)を使おうものなら、先手を取っても敵の後出し通常攻撃が先に通る
 なんなら通常攻撃モーションも他のキャラの剛撃くらい長いので、敵はカモり放題である。使いづら過ぎる。
 一応剛撃は射撃(遠距離攻撃)に匹敵する射程を有してはいるのだが……そんな距離で剛撃を使うシチュエーションはあまりない上に、敵によっては普通に距離詰めて殴ってくるので微妙である。ボス戦だと特に顕著。

 そんな訳で、頼れる兄貴分は肝心の戦闘ではまったく頼りにならないため『戦闘以外は完璧な漢』となってしまっている。
 設定的には絶対上から数えた方が早い戦力だと思うんですけど……(困惑)

終わりに

 だいぶ書いた気がするので、ここらで〆ようと思う。
 総括すると『神ゲー、買え!』になってしまうけれども、胸を張ってお勧めできる作品だから、是非読者諸兄にもプレイしてみてほしい。散々閃の軌跡擦ってはいるけれども、未履修でも全く問題ない範囲内だと思うので! 興味が出たらそっちもやってほしいけどもね。

 二周目終わらせたらネタバレ全開で感想記事書きたい。
 シオリの可愛さとリオンの良さについて延々書き連ねたい……。

 それではまた。

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