自由主義mix
職業訓練校に通っていた数ヶ月を除き、家に引きこもってた一年は、まったく誰とも連絡をとることなく、ひとりYoutubeやtwichのゲーム配信をダラダラと見ていた。おもいのほかそうした廃人じみた孤独は充足していて、その時は人間関係なんてもう無用のもので、タブレットひとつを介してストリーマーがバーチャルなおれの友人として隣にいてくれている、と思った。しかも推しのストリーマーとおれはまったくの他人なので実際上の人間関係は存在せず、おれの行動がその関係になにか影響は与えない。人間関係で悩むストレスもないし、これだけで充分だとその時は思っていた。
DJがしたい。ライブにいまは あまりモチベーションはない。コストもかかるし、いまいちどういう風にしたらいいかまだイメージが湧いてないからだ。ラフに身一つで飛び込めるDJがしたい。これをご覧の方はぜひDJにお誘いください。とはいってもおれのミックスは見た人の記憶の中だけなので、先立つものをと思いミックスを今回作成しました。いつもは近いBPMで繋いで、緩やかな坂を登るようにBPMを上げていくDJをしていたのだけれど、それにも少しマンネリしたのと、vhyderwinigerやGENESIS、moge!にnerdcamp.comのミックスを聴いて、そうしたミックスにも挑戦したくなった。これを自由主義ミックス、と名付けた。
音楽空間は自由であるべきだ。これは音楽空間に限らず言えることでもあるけれど、やっぱりその空間の中に権力構造が発生していると、どうにも自由は感じ辛い。とくにおれはそうしたパワーバランスに弱くて、えらそうな感じの人にいつもへーこらしたり靡いてしまいがちだ。そういう人の言うことを真に受けやすいのもある。東京という街と音楽の現場から離れていた理由にそれはあるかもそれない。出演順、ディスカウント・ゲストリストという当たり前の仕組みにも権力構造は見えてくる。ただ、権力構造を無視すると集客やイベントのパッケージングは弱くなるし、おれの中でイベントというものはジレンマを抱えた存在で、いまイベントをやろうとしないのも、そういうジレンマを乗り越えるアイデアがまだ思いついていないからだ。(出演順をあみだくじで決める、くらい)
サウンドクラウドをはじめてよかったと思えたのは、「三月」のインサイトをみたときにウクライナ人とロシア人が聴いていたことだ。これは本当にアガった。このプラットフォームでは国籍と戦争の壁は取り払われていて、好みで自由に楽曲をライクしていたということが本当に嬉しく思えた。Boiler Roomのみんなのきもちのプレイを見ながら、ウクライナ人もロシア人も、イスラエル人もパレスチナ人も、同じ会場でみんなのきもちを観ながら楽しくレイヴできたら最高の未来だと思った。それがおれのワンピースかもしれない。
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