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巨大化していくBTSのファンダムはティーンだけじゃない。お母さん達もなのだ。(Part2)

なぜBTSなのか?

7年間にわたり、BTSはカムバックのたびに内面を育んでいく実のある仕事をしてきた。Love Yourselfの時代は誰かを愛するより自分を愛することがいかに難しいか、ということをメンバーが歌った。Map of the SoulではBTSは自分たちが打ち出すイメージ、付けている仮面、夢をかなえることの意味や、人生にまだ影があることを伝えている。誰でもどんな年になっても何かに夢中になれるが、BTSの普遍的な魅力は普遍的なメッセージを時間をかけて表現してくれることだ。

そういったテーマが年配のファンを結び付けるのは当然のことだ。Wrayは「ティーンや20代の間だけではなく、人生の異なるステージにおいてこういうメッセージが必要ですよね。」と話す。「人生のレッスンをもう一度学びなおしているんです。」と。

Hallが説明するようにBTSの歌は大人たちには違った印象を与えるようだ。その例としてBTSの歌のひとつに “Tomorrow” という歌がある。Suga, RM, J-Hope, そして常連のプロデューサーSlow Rabbitによって書かれた歌だ。Hallは「 '気が付いたら昨日が明日になる' という詩は、15歳のときに聴いたら '物事は良い方向に進んでいくんだ' というメッセージですよね。 '少し待てば終わりがやって来て、人生の次の章に進んでいくんだ' というような。」と話し、「50歳でその詩を聴いてみると '人生なんてすぐに終わってしまうんだからボケっとしてないでしっかりしなきゃ。明日はここにいないかもしれないんだから' というメッセージに聞こえます。」とも話す。

BTSが非常に勤勉であることも影響を与えており(練習ビデオや同僚からの声にあるように)、夢を追うという観念は年配のARMYを元気づけている。「彼らは栄光と同様にチャレンジも見せてくれる」とWrayはまとめる。プロジェクトマネージメントの仕事をしていた彼女は、BTSが後押しとなって、もっとクリエイティブなことに時間を費やせるようお店のキッチンで働くというキャリアチェンジを行った。彼女はパーソナルトレイナーもつけ、体力的にもベストな状態だと言う。「これは全部、彼らの仕事っぷりにインスパイアされた結果なの。」と彼女は言う。人生を大きく変えたいという動機をもらったのはWrayだけではない。Hallは韓国の延世大学で韓国語を2学期学び最近帰国した。「‘BTSのために行くんでしょ’ とみんな言いました。」と彼女は話す。「BTSのためだけじゃないけれど、彼らに対するパッションがなければ語学を学びたいとは思わなかったですね。」と。

カリフォルニアに住むWinnie Lauは家族全員をARMYにしてしまった。彼女の人生でのBTSの影響は計り知れない。良性腫瘍の結果起こった早発性難聴とうまく付き合っていくことをバンタンが助けてくれたからだ。

夜になると悪化する耳鳴りを和らげるために、彼女はジョングクがPark Wonのカバーをした ‘All of My Life’ やジミンの ‘Promise’、Vの ‘Scenery’ を聴き始めた。「リラックスして症状が和らぐよう、毎晩聴けるプレイリストを作りました。」と彼女は話す。「BTSの音楽に出会ったことで私は再び美しい音楽を聴けるようになりました。」。

中国系アメリカ人でもあるLauはカリフォルニアで育ったが、アジア人をテレビで見たことがなかったし、彼女が経験してきたようなアジア文化を描写する人を見たことがなかった。「言葉の壁や文化の違いに関わらず、あなたが誰であるか、ということが大事なことだとBTSが伝えてくれました。」と彼女は話す。

ARMYはすごく熱い。。。あなたのおかげで

結局BTSの年配のファンはBTSの詩にあるメッセージに惚れこんでいる。そしてそのメッセージがコミュニティーを作り、お互いを助け合おうと刺激を与えていることにも大変心を惹かれている。

Bangtan Moms & NoonasのフェイスブックのグループではBTSに関するジョークを使ってコミュニケーションができるが、私生活で辛いときや壁にぶち当たったときに安心して話せるところでもある。そこにいる女性たちはバンタンのコミュニティーからサポートを得られると分かっているからだ。

56歳のYevonne Cantwellはカナダの国境近くのNew Yorkの田舎に住んでいる。Paturzoとは陸をまたいでいるが、2人はBangtan Moms & Noonasの出会いを通して一緒にBTSのコンサートに行った。Cantwellは最近28歳の義理の娘を乳がんで失くしたばかりだ。グループはBTSのコンサートの写真や2018年のナムジュンの国連でのスピーチを印刷したものを愛の小包として彼女に送った。

「私に何ができるのか、まだリタイアもできないのに息子と彼の6人の子供をどうやってサポートできるのか、ってすごく気分が落ちて無力に感じていた日に届きました。」とCantwellは話す。「ギフトを開けたら 'You Never Walk Alone’ というメッセージがハート型のカードに書いてありました。みんな住んでいるところはばらばらだけれど、必要なときにはいてくれる人たちだと気づきました。」。

‘You Never Walk Alone’ は2017年のリパケアルバムWingsに由来するBTSのフレーズで、BTSとARMYの関係と同様にARMY同士でサポートし励ます方法をうまく説明している。TwitterでBTSのファンはCantwellを知っているかもしれない。彼女はOntario州HamiltonのコンサートでDNAを歌っていたところ、その動画を「年取ったらマジで彼女みたいになりたい。バンタンパワーには性別も人種も年齢もないよね。」というコメントと動画を1人のファンにツイートされた。

その動画は1600万回のビューを記録した。それはCantwellの人生初のコンサートだったが、BTSはそれ以外にも彼女に「初」をもたらした。昨年New JerseyでMoms & Noonasのメンバーにあった時、オンラインで出会った友人たちと人生初のカラオケ、脱出ゲーム、韓国焼肉を初めて経験した。そしてその友人たちは彼女の人生には不可欠なものになった。BTSのファンでいることは仕事での疲れの癒しの元にもなっている。

こういった経験を経て、彼女はティーンではないのにバンタンのファンだということへの嘲笑に対して耐えられなくなっている。BTSは世の中に素晴らしいことをしていると思うのに、なぜ批評にフォーカスするのだろうか?「BTSの素晴らしいところは、私達をひとつにしてくれるところです」とCantwellは話す。「自分自身という枠を超えて、もっと大きな目で寛大になるよう考えさせてくれます。」。

彼女は「彼らはただのボーイバンドではなく、それ以上です。人々に立ち上がること、自分の名前を伝えること、お互いよりよく接していくように呼び掛けています。そしてそれが人々に力を与えています。あなたには何か価値があるんだというBTSのメッセージが心に響けば、そういった冷やかしに対して我慢なんてしません。Twitterの呟きで一番のお気に入りは 'あなたが出会う人は、あなたが全く気付いていない何かに対して戦っている、だからいつも親切でいましょう’ というツイです。多分BTSはそのメッセージを気に入ってくれると思います。」。

*出典元:https://www.instyle.com/celebrity/bts-fans-over-35-map-of-soul by P. Claire Dodson

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