有機溶剤作業主任者技能講習4

<第4編>労働衛生保護具
の重要事項

・臨時の作業等で十分な作業閑居の改善の効果が期待できないような場合や、あるいは作業環境の改善を進めた上でさらに作業者の有機溶剤へのばく露を低減させたい場合に労働衛生保護具を使用するのが、正しい保護具の使い方である。
・呼吸用保護具は種類によって、使用できる環境条件や、対象物質、使用可能時間等が異なり、通常の作業用か火災・爆発・その他の事故時の救出用かなどの用途によっても異なるので、使用に際しては用途に適した正しい選択をしなければならない。
・酸素欠乏のおそれがある場所では、日本産業規格 T 8150「呼吸用保護具の選択、使用及び保守管理方法」(以下「JIS T 8150」という。)を参照し、指定防護係数が1000以上の全面形面体を有する別表2及び別表3に記載している循環式呼吸器、空気呼吸器、エアラインマスク及びホースマスク(以下「給気式呼吸用保護具」という。)の中から有効なものを選択すること。
・有機溶剤を取り扱う作業では、対象物質に適した防毒マスクまたは送気マスクを使用する。自給式呼吸器は災害時の救出作業等の緊急時に用いるもので、通常の有機溶剤作業に使用するのは適当ではない。
・防毒まs駆は、その形状および使用の範囲により隔離式防毒マスク、直結式防毒マスクおよび直結式小型防毒マスクの3種類がある。
・防毒マスクの使用の範囲(ガスまたは蒸気の濃度)は隔離式が2%以下、直結式が1%以下、直結式小型が0.1%以下の大気中で使用する非緊急用のものである。
・吸収缶は、その種類ごとに有効な適応ガスが定まっている。
・有機溶剤を使用する職場で使用する吸収缶の色は黒である。
・吸収缶の除毒能力には限界がある。
・吸収缶の破過時間(吸収缶が破過状態になるまでの時間)は、おおよそ有機溶剤の濃度に反比例し、高濃度の場合には短時間で能力を失ってしまう。
・マスクを選定する方法として、陰圧法によるシールチェックがある。
・事業者は、作業に適した防毒マスクを選択し、防毒まs駆を着用する作業者に対し、当該防毒マスクの取扱説明書等に基づき、防毒マスクの適切な装着方法、使用方法および顔面と面体の密着性の確認方法について十分な教育や訓練を行う。
・防毒マスクは、酸素濃度18%未満の場所では使用してはならない。このような場所では給気式呼吸用保護具を使用する。
・防毒マスクの使用中に有害物質の臭気等を感知した場合は、直ちに着用状態の確認を行い、必要に応じて吸収缶を交換する。
・送気マスクは、行動範囲は限られるが、酸素欠乏環境およびそのおそれのある場所でも使用することができ、軽くて連続使用時間が長く、一定の場所での長時間の作業に適している。
・肺力吸引形ホースマスクは、ホースの末端の空気取入口を新鮮な空気のところに固定し、ホース、面体を通じ、着用者の自己肺力によって吸気させる構造のもので、面体、連結管、ハーネス、ホース(原則として内径19mm以上、長さ10m以下のもの)、空気取入口等から構成されている。
・送風機の電源スイッチまたは電源コンセント等必要箇所には、「送気マスク使用中」の明瞭な標識を掲げておく。
・空気源は常に清浄な空気が得られる安全な場所を選定する。
・化学防護衣類等は、有機溶剤が皮膚、眼に付着することによる障害、および皮膚から吸収されて起こす中毒を防ぐ目的で使用される(安衛則第594条)。したがって、液体ならびにガスを透過しにくい材質のものを選ぶことが大切である。

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