有機溶剤作業主任者技能講習3

<第3編>作業環境測定の改善方法
の重要事項

・ほとんどすべての有機溶剤には引火性があり、表面から蒸発した蒸気が空気と一定の割合で混合すると爆発性混合ガスをつくる。
・有機溶剤上記の比重は空気より大きく拡散しにくいために、風通しの悪い室内等で取り扱うと空気中に高濃度で滞留しやすい。このために締め切った室内での塗装作業などでは、急性中毒事故の危険が大きい。
・有機溶剤や有機溶剤を含む塗料等を高温の場所に置いたり、直射日光の当たる場所に置くと危険である。
・ほとんどの有機溶剤は、水より比重が小さく、水に溶けない。
・健康に有害な物質の使用を止めてより有害でない物質に転換することができれば、これが最良の対策である。
・生産工程や作業方法を変えたり、その順序を入れ替えることによって有機溶剤を使わずにすませたり、発散を止めたり、減らすことができる。
・密閉構造というのは、多少内部が加圧状態になっても有機溶剤が外に漏れださない構造をいう。
・包囲構造というのは、発散源をカバー等の構造物で囲い、内部の空気を吸引してカバーの隙間等に吸引気流をつくって有機溶剤蒸気の漏れ出しを防ぐ構造である。
・作業者から祐樹代油剤の生産工程を隔離する方法には、隔壁のようなsつ日による物理的隔離、気流を利用した空間的隔離、工程の組み方による時間的隔離がある。
・外付け式フードは、開口面の外にある発散減の周囲に吸込み気流をつくって、まわりの空気と一緒に有機溶剤蒸気を吸引するもので、まわりの空気を一緒に吸引するために排風量を大きくしないと十分な能力が得られない。また、まわりの乱れ気流の影響を受けやすく、囲い式に比べ効率がよくない。
・キャノピーと呼ばれる外付け式上方吸引型は、一見作業の邪魔にならないように見えるため有効視されがちであるが、本来は熱による上昇気流や煙を発散源の上方で捕らえるレシーバ式フードとして使われるべきものであり、空気より比重が大きい有機溶剤蒸気に対しては効果が期待できない。
・外付け式フードを使う作業では、作業主任者は作業者に対してできるだけフードの開口面の近くで作業するよう指導しなければならない。
・プッシュプル換気は2つのフードの間につくられた一様な気流によって発散した有機溶剤蒸気をかきまぜることなく流して吸引する理想的な換気の方法で、平均0.2 m/s以上というゆるやかな気流で汚染をコントロールでき、また、フードを発散源から離れた位置に設置できるので、強い気流による品質低下を嫌う作業、発散源が大きい作業、発散源が移動する作業、たとえば大型の物の塗装作業用やグラビア印刷機用などに使われる。
・全体換気は希釈換気とも呼ばれ、給気口から入ったきれない空気は、有機溶剤で汚染された空気と混合希釈をくり返しながら、換気扇に吸引排気され、その結果有機溶剤の平均濃度を下げる方法である。
・作業主任者は、作業者が発散源より風下側に行かないように指導すること。
・日常点検や検査において異常が見つかったときは直ちに補修を行った上で作業環境測定を実施するのがよい。
・第1種または第2種有機溶剤等を製造し、または取り扱う屋内作業所については、6月以内ごとに1回、定期的に作業環境測定を行い、その結果を評価し、問題があると判断された場合には直ちに原因を調べ、施設・設備の整備や作業工程・方法の改善などの必要な措置を講じることを事業者の義務と定めている。
・単位作業場所の平均的な有機溶剤蒸気の濃度の分布を調べるための測定を「A測定」という。
・発散源の近くで作業する作業者の高濃度ばく露危険性を調べるための測定を「B測定」という。
・第3管理区分は健康に対する影響も考えられるので、直ちに原因を調べて改善する必要がある状態を表している。

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