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信頼できる人が、同じ時代に生きて、歌を作ってくれているというありがたみ。

先週、宇多田ヒカルのライブに行ってきました。18年ぶり2度目の参加。宇多田さんの「待たせてごめーん!」という第一声に、涙が出てきた。そっか私はずっと彼女を待っていたんだった、と気づかされた。デザインの話を中心にしたかったこのnoteですが、このライブの感動を忘れないうちに記録しておきます。

ここからはセットリストのネタバレありです。気をつけて!

一曲目は、彼女が息子のために母親目線で書いた曲「あなた」。そして間髪入れずに二曲目は「道」。こちらは亡き母親に向けて作られた曲です。

この二曲を最初に歌うんだ。。。と鳥肌が立った。もう二度と会えない人も、今目の前にいる最愛の人も。自分にとって大切な人を大切に思いながら生きていこう。そんな彼女の強い意志を感じる選曲で、私はここで既に号泣。

三曲目からは「traveling」や「COLORS」など昔の曲も歌ってくれて。「あーこの曲聞いてた頃、学生だったなぁ」と自分の思い出と重ねてみたり、新しめの曲「Too Proud」には「あ、この曲ってあんまりちゃんと歌詞聞いてなかったけど結構際どいこと言ってるんだ」という発見があったりで。ライブの演出としてはオーソドックスなタイプだったと思うのですが、なんともカラフルで濃密な時間でした。

印象的だったのは最後の選曲「Play A Love Song」。

友達の心配や 生い立ちのトラウマはまだ続く僕たちの 歴史のほんの注釈

という歌詞があるんですが、このライブツアータイトル「Laghter in the Dark」(=絶望の中の希望やユーモア)を表しているというか。「嫌なことだって笑い飛ばしてこうぜ!私たちはきっとそれができるよね」と鼓舞されてるような気持ちになりました。ありがとう宇多田ヒカル。

アンコールの選曲も素晴らしく。高校生から大人まで全女性共感の「俺の彼女」、伝説的デビュー曲「Automatic」、そして人間活動(活動休止)直前にリリースされた「Goodbye Happiness」という三曲でした。

特に「Goodbye Happiness」の歌詞にある

誰かに乗り換えたりしません only you

って言葉は、宇多田ヒカルからファンへの、ファンから宇多田ヒカルへの想いみたいなものを感じて、また号泣。

私は彼女を待っていたんだ、待っていて良かった。心からそう思えるライブでした。

宇多田ヒカルの素晴らしさは、私なんかが語らなくても十分みんな分かっていると思うんだけど、なんていうか、宇多田ヒカルは「信頼できる」感がすごい。

この人の歌があれば人生をサバイブしていけるに違いない、と思わせてくれる。明日も人生を味わってやろう、そんな気持ち。これほど信頼できる人が、同じ時代に生きて、歌を作ってくれている。しかも目の前で歌ってくれているというありがたみ。尊さしかない。

休みながらで構わないから、宇多田ヒカルにはどうか、生きている限り歌を作っていってほしい。もし作り続けるのが無理でも、せめて同じ時代に生きてることをたまに発信してほしい。昔の友人と年賀状のやり取りだけを続けるように、細々と、でも末永く、これからも彼女とつながっていたいと強く、思う。

(ライブはスマホでの撮影OKという太っ腹さにも感謝。)


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