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【1972年レコード】44)JETHRO TULL : THICK AS A BRICK


■データ

・リリース : 1972/03/03
・レーベル : クリサリス・レコード
        リプライズ・レコード
・プロデュース : イアン・アンダーソン
          テリー・エリス
・チャート : US 1位 UK 5位
・スタジオ : モーガン・スタジオ(Lon)
・所有ver :  ・0190296323317(2022 US Chrysalis Records)
       ・50周年記念盤 スティーヴ・ウィルソン・リミックス 
        (ハーフ・スピード・マスタリング )

■トラック・リスト

[SIDE-1]
1. シック・アズ・ア・ブリック

[SIDE-2]
2. シック・アズ・ア・ブリック

■メンバー

・イアン・アンダーソン
 (ボーカル/フルート/アコースティック・ギター/ヴァイオリン/
  サックス/トランペット)
・マーティン・バー (エレクトリックギター/リュート)
・ジョン・エヴァン (オルガン/ピアノ/ハープシコード)
・ジェフリー・ハモンド (ベース/ボーカル)
・バリモア・バーロウ(ドラム/パーカッション/ティンパニ)

■LINK

Discogs
Wikipedia

■メモ

  • ”マッチョマン”ランディ・サベージにしか見えません。一本足フルート奏法でお馴染みの「クレイジー・フラミンゴ」イアン・アンダーソン率いる英国プログレバンド、ジェスロ・タル5作目のアルバム

  • 1969年にジミヘン、ツェッペリン、バニラ・ファッジらの前座としてツアーを周り、認知度と人気を得たバンドはブルース・ロック・アルバム「スタンド・アップ」をリリース、その勢いのままウッド・ストック・フェスティバルへ招待されたが、安易にヒッピーと自分達の音楽が結び付けられかねない状況を嫌い参加を拒否する。バンドはもっと多様な音楽性の表現を思考しており、続くアルバムで「ベネフィット」で成功を収めると、いよいよプログレ期に入り「アクアラング」を完成させる。「アクアラング」は前作「ベネフィット」が米アルバムチャート最高11位だったのに対し、TOP10入りを果たし最高7位を記録する。

  • 一方「アクアラング」が”コンセプト・アルバム”と評価される向きがある事にアンダーソンは不満を持つ。「コンセプト・アルバムではない」と反論していくうちに、むしろ「すべてのコンセプト・アルバムの母となるものを作ろう」と決意する、そしてジェスロ・タルが初めて米アルバムチャート1位を記録する本作「シック・アズ・ア・ブリック」が完成する。

  • まさにバンドの目指した多様な音楽表現を1つのアルバムに1曲だけという特濃に凝縮した形式。A面とB面を通して1曲というのは例を見ないものだった。

  • アルバムはモンティ・パイソンのスタイルを参考に、英国パロディ特有のシュールで風刺に満ち、それでいてパロディを大真面目にフルスウィングする傑作となった。

  • 架空の”8歳の天才少年ジェラルド・ボストックの叙事詩を音楽化したもの”という形でジェラルド・ボストックも作詞でクレジットされている。

  • アルバムジャケットはイギリスのローカル新聞を模しており、12ページに及ぶ楽曲に負けない大作で、当時の英国ローカル新聞特有の偏狭で素人っぽいジャーナリズムを風刺しているらしいが、ここら辺のアプローチはまさにモンティ・パイソンを想起させる。

  • アンダーソンは「レコーディングよりジャケットの新聞記事作成の方が時間がかかった」と回想している。

  • クリサリスレコードはジャケットに掛かる費用が高すぎると難色を示したが、「本物の新聞を作らないと、パロディが現実身をおびずパロディにならない!」と強行した。まさにフルスウィング。

  • アンダーソンは本作を「YESやEL&Pのパロディ」と発言しており、プログレッシブ、ひいてはコンセプト・アルバムと呼ばれる概念そのものを皮肉ってみせた。

  • ちなみに1972年はYESは「危機」EL&Pは「トリロジー」という大傑作をリリースしている。

  • ジェスロ・タルは同年に本作以前のシングル等をミックスして集めたアルバム「リヴィング・イン・ザ・パスト」もリリースしている。

  • 所有レコードは、ハーフ・スピード・マスタリング版。何だか良くわからないが、新品だし音が良いなら買うか~と購入

「マスター音源をハーフスピードで再生しながらカッティングを行うことで、カッティングの際に難しいと言われる高周波帯域などのコントロールが可能となり、理想的なサウンドで高い評価を得ている。」

タワーレコードオンライン
  • まぁ正直良いか悪いかは良く分かりません(笑)



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