個体差

ベンゾジアゼピン減薬する前に、知っておく知識が個体差である。

酒が飲める人は、アセトアルデヒド脱水素酵素の働きが良い人
飲めない人は、その酵素自体が無いか、あっても活性が弱い。

ジアゼパムにも言える。
ジアゼパムの半減期を見たことがある人はわかると思う。
アシュトンマニュアルのデータで20~100時間と
幅がある。
半減期は実際に人間に治験で投与して計測する。
だから個体差によって幅が出るのだ。

半減期を決めるのは、薬の分解速度だ。
ジアゼパムの場合 CYP2C19 とう代謝酵素の強弱で決まる。
この代謝力が強い人は半減期が短く
弱い人は長い。

アシュトン博士も東洋人でジアゼパムが合わない人がいると指摘している。
日本人の場合16%人が弱い分類になり、遺伝子検査でもわかる。

これは知識としてしておけばよいだけの話で、
量を調整するか, 薬を変えれば良い。

詳細が知りたい方はここを読むといい

1994年にCYP2C19遺伝子のエキソン5の一塩基置換(CYP2C19*2)によりmRNAの読み枠に未熟停止コドンが生じ機能を持たない蛋白質が作られる場合があることが明らかにされました。引き続き、エキソン4にも未熟停止コドンを生じる一塩基置換(CYP2C19*3)が見出されました。日本人の場合、この2つの変異と、それらの変異を持たない野生型(CYP2C19*1)の組み合わせにより、CYP2C19活性の個体差のほぼ100%を説明することができると考えられています。そして、*1と*2と*3の組み合わせにより、①高活性型(*1/*1;Rapid Metabolizer(RM))、②中活性型(*1/*2または *1/*3;Intermediate Metabolizer(IM))、そして③低活性型(*2/*2または*2/*3または*3/*3;Poor Metabolizer(PM))の3つに分けられます。弊社で行った研究では、日本人の頻度はRMが33.6%、IMが50.4%(*1/*2 : 32.0%、*1/*3 :18.4%)、PMが16.0%(*2/*2:8.8%、*2/*3:6.4%、*3/*3:0.8%)でした[弊社独自データ]。

CYP2C19がPMの人は、ある場合には常用量の薬物投与でも血中濃度が通常より長時間高く保持されることで副作用が現われたり、反対に薬物を活性成分への変換する能力が低いために薬効が現れにくい場合や、またある場合には、PMの人はRMやIMの人に比べ、有効血中濃度が長時間保持されるために、より顕著な薬効が得られることがあります。

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