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トランプ大統領の聖書解釈

  昨日、騒がしいアメリカがさらにやかましいので、少し気になって見に行った。どうやらトランプ大統領が抗議集団に催涙ガスを撃ち込んだあと、悠々と教会前へと歩いて、聖書を片手に「アメリカは偉大だ、世界で最も偉大な国だ」と宣言したらしい。

 現地各局が報じているし、SNS上で切り取られては貼られているので、確認されたい。個人的には、彼のキリスト教信仰を疑う余地がないように思える。もちろん「信仰」は人それぞれだから、それが意味するところも人それぞれだ。想像に過ぎないが、大統領に選ばれたあたりで、彼なりに信仰が深まったのではないか。まさか勝てると思っていなかった選挙で勝ってしまったことに、何か自分の意図を超えたものを感じたのではないか。知らんけど。

 さて、トランプと聖書は、どうやらアメリカの報道においては良いオモチャのようで、存在しない聖書箇所を引用したなどと叩かれていたこともある。また一方では、支持基盤である福音派からは「最も偉大な大統領」と称賛されてもいる。両論併記、youtubeには動画が転がっているので、以下、メモとして面白いものを載せておく。興味があればご覧になられるとよい。

 あと、トランプ大統領の聖書解釈だが、全体としては、平均的なアメリカ人のものと大差ないように見える。私見だが、彼の引用をいわゆるクリスチャンが叩くのは、ちょっと無理があるのではないか、と思った。彼にとって「信仰」はあくまでポーズであり文化であることが大前提だからだ。

 誰でも知っている一般的な事実でいうと、不精確な引用、恣意的な解釈は、じつは使徒パウロを筆頭に新約聖書記者らはよく行っている。いわゆるヘブライ語の本文とギリシア語訳LXXの両方が「聖書」として、新約聖書に収められている。そうなると、彼の平均的な理解と曖昧な引用をアメリカのキリスト教関係者が叩くのも、ちょっと可笑しな気がしてくる。

 とまあ、興味深いなと思ったのでメモを置いておく。ちなみに、ぼくはノンポリであるし、そもそも他国の国家元首について何をいっても仕方ないと思っている。ただ興味深いなと思っただけである。

 なおトランプ大統領で一番好きな動画は以下である。編集者の才能が光っている。


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