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全ては勝利のため、攻める姿勢に一片の後悔はなし

2024年6月8日なでしこリーグ1部第12節
朝日インテックラブリッジ名古屋 2-3 静岡SSUボニータ〇

【マッチエピソード】
面白いサッカーと哲学を観ることができた。なでしこリーグ1部第12節、岐阜市の長良川球技メドウで行われた朝日インテックラブリッジ名古屋対静岡SSUボニータのゲーム。結果としては2-2の同点からラストプレーで、ボニータがカウンターから逆転ゴールを決めて勝利をしたのだが、勝ち点を落としたラブリッジに悲嘆の言葉は皆無だった。

立ち上がりから得点の取り合いとなった。ラブリッジは4分に先制されたものの、9分にポケットを取った左SB長谷川 朋佳のクロスを三浦桃が押し込んで同点に。後半の51分にも長谷川の正確なクロスから渕上 野々佳がヘディングで決めてリードをした。

前半9分、同点ゴールを決めた三浦桃キャプテン

2位で首位を追うラブリッジにとっては、メインスタジアムがなく転々としているとはいえホームで絶対に負けられない試合。内容としてもほとんど主導権を握って攻め込んでいた。しかし62分にワンチャンスを決められて同点に、そして劇的な決勝点へとつながった。

試合後、森山泰行監督に話を聞きにいくと「勝点を逃したという気持ちは一つもない」と言い切った。そしてそれは選手たちも同じ考えだった。

キャプテンの三浦桃は「点を取りに行かないといけない状況で、ああいうカウンターはサッカーではよくある現象。リスク管理はありますけど、それよりも前に決めておけたシーンがあったし、2-1でリードした時に、3点目4点目と畳みかけておかなければいけない試合だった」と、最後の場面以前の問題だと語った。

美しいクロスで2アシストと活躍した長谷川朋佳

状況としては2-2に追いつかれた時点で、最低でも勝点「1」を死守したくなるもの。そして追いついた相手は勢いが出てくる。それでもラブリッジの選手たちは敵陣のポケットを取りまくり、パスワークで押し込み続けていた。結果として決勝ゴールこそ奪えなかったが、自分たちのやるべきサッカーをやり続けられた。

最後の最後に勝点を失って、激怒案件だと思い込んでいた筆者は最初少し戸惑ってしまったが、「このチームはゴールを奪うために、そして勝つためにというサッカーの本質を追及しているんだな」と、話を聞きながら感じていた。

インタビューの終了後、森山監督から「面白いサッカーをしていたでしょ?」と逆質問をされた。もちろん答えは「YES」。もちろん勝てればそれに越したことはなかったが、スキルフルで攻撃的なサッカー、そして自分たちの目指すスタイルに向かっていく姿勢は見ていてとても気持ち良かった。

森山泰行監督は攻撃的で観ている人も楽しいサッカーをやっていた

以下、監督選手コメント

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