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美しいゴールラッシュで好発進

明治安田J3第1節 FC岐阜4-1福島ユナイテッド

前半の福島は、さすが風間八宏氏(現・南葛SC監督)に薫陶を受けた人物が率いるチームというスタイルで、先制点を奪うなどFC岐阜を大いに苦しめた。ただ、やはりまだ始動して1カ月余りであり、90分間やり通せなかった印象だ。

そうさせたのは、2年目の指揮となる上野優作監督が「同点ゴールが勝負のポイントだった」という、前半21分の藤岡浩介のゴール。最初のシュートはGKに防がれたものの、「気持ちが乗っていたのでこぼれてきた」(藤岡)と、跳ね返りに素早く反応し冷静に蹴り込んだ。

主導権を奪い返した後半はゴールラッシュ。新加入、荒木大吾の逆転弾は個人技の高さを感じさせるもの。カットインからGKの手の届かないコースにしっかりと蹴れる技術とメンタルは、今後も大いに期待できそうだ。「たまたま僕が(ゴールを)取りましたけど、チームの誰がとってもいいと思うので」(荒木)とクールに答える姿も頼もしい。

その後、田口裕也と藤岡のこの日2点目のゴールにつながるわけだが、特に美しかったのは3点目のゴール。左から北龍磨がライナー性のフィードを右SBの石田崚真に送ると、ダイレクトの折り返しを田口が詰めた。

「あれは崚真くんと『あの場所を形にしよう』と話しをしていて、ボールを受けた時にラインが見えました。できるだけ早く到達するように(ライナーのボールを)蹴って、良いボールが通って、そこに裕也が入るところまで、3人が同じ絵を描けていたからゴールが生まれたという感じです」(北)

力は持っているものの、昨季はなかなか出場時間を伸ばせなかった北。名古屋とのプレシーズンマッチでも存在感を示していた。

「(柏木)陽介さんに、もっともっとラストパスの質を上げて得点に絡めるようにしていけと言われていて、それは頑張っています。シーズンオフから自分の課題に向き合って取り組んできたのでコンディションもいい感じ。これを続けてさらに向上させていけば、良いシーズンを送れると思っています」(北)

勝利はもちろんだが、こうした美しいゴールも、美しいプレーもサッカーの醍醐味であり、また試合を見たいという動機になる。苦しい展開でも崩れずに最少失点で抑えた守備陣も含め、昇格に向け好スタートを切ることができた。

採点寸評
 
GK1 茂木秀 6
失点後の好セーブ連発も流れを引き寄せる要因に
 
DF5 石田崚真 6.5
運動量豊富で攻撃的な姿勢はチームに勢いを与えた
 
DF4 甲斐健太郎 6
的確なサイドチェンジは変わらぬ視野の広さを感じさせた
 
DF40 川上竜 6
カバーリングも素晴らしくビルドアップの起点にも
 
DF22 文仁柱 6
逆転弾のきっかけに繋がるパスカットは良い読みだった
 
MF10 庄司悦大 6
うまくチームをコントロールして全体を連動させた
 
MF6 北龍磨 6.5
前半の2人先を見たスルーパスも見事なボールだった
 
MF7 河波櫻士 6
ポスト直撃だったが美しいコントロールショットでファンを沸かせた
 
MF8 荒木大吾 6.5
高い技術で攻撃の核となり、逆転弾を決め切る強さ

FW11 藤岡浩介 7(MOM)
チームにとっても自身にとっても大きな2ゴールは文句なしのMOM
 
FW9 山内寛史 5.5
献身的な動きは高く評価している。FWとしてシュートが打てなかったことだけ減点
 
DF39 遠藤元一 
時間短く、評価なし
 
MF16 西谷亮 6
短い時間ながら積極的な姿勢を見せてゴールを目指した
 
MF38 新垣貴之 5.5
藤岡と交代し、しっかりとゲームを締めることにも貢献
 
FW24 粟飯原尚平 6
右SHに入り、きれいなサイドチェンジや4点目の起点に
 
FW17 田口裕也 6
交代出場でもしっかりと結果を残し先発をアピールした
 
監督 上野優作 6
前半の苦しい展開もしっかりと修正して5年ぶりの開幕戦勝利に導いた

(平均点は5.5としています)

本文以上
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