深海魚になりたい《エッセイ》
デメニギス。深海に生息する魚。
頭がスケルトンで捕食以外は、積極的に動く事はしないらしい。
どうして深海魚なのか。
周りの声や色んなしがらみから解放されて、静かな深海を漂っていたいから。
そう思うのには、私の幼少期から父親に言われ続けていた一言が関係する。
私は昔から『何を考えているか分からない』そう言われていた。
子供ながらに傷付いてきた。
けれど大人になってから気付いた事。
人が何考えてるかなんて、当人しか分からないんじゃない?
他人に分かる単純な頭なら、私は要らない。
そう開き直りも出来た。
けれど、時々思い出す父の言葉。
私の頭がスケルトンだったら、もう少し関係性は変わっていたのかな…。
私は思った事(傷付いた、辛い、悲しい)を中々口に出せない。
溜め込むタイプだ。
そして爆発してしまう。泣きたい時ですら、我慢をして無理に笑う。
そんな癖がついてしまった。
私の頭がスケルトンだったら、もっと周りに理解される人間になれたのかな。
なんて、そんな無理な話。
だから、頭がスケルトンの深海魚デメニギスになりたい。静かに深海の薄暗い空間で、思考に耽っていたい。
私には人間という生き方は向いてない、そう感じる。
そんな事を考えたり、相変わらずの昼夜逆転生活で、昨夜は一睡も出来ずに今これを書いている。
生活リズムを戻したいし、昼間の光を浴びたい。
海の中でなくとも、今の私は深海魚みたいだ。
いっそずっとこのまま、気付いたら深海に棲みついていたい…。
雑音や雑念の現実に、少し疲れたのかも。
全然前に進めない自分を脱ぎ捨てたい。
そんな情けない私は、また好きな小説と絵本に救いを求める。
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