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【展覧会レポ】版画の見かた-技法・表現・歴史-@ 町田市立国際版画美術館

みなさん、こんにちは。
whipです。

町田市立国際版画美術館で開催している『版画の見かた』展に行ってきました。

別の展覧会に訪れた際にチラシを見つけて気になっていた特別展です。

美術史を勉強している中で、体系的な理解は以前よりできたのものの、各様式に用いられる技法や出てくる用語など、さらに知りたいことが増えていくばかりでした(笑)。
特に版画は、西洋でも日本でも共通する技法で、日本の浮世絵は古くから海外の人気を集めてきたこともあり一度詳しく知る機会がほしいと思っていたところでした。

町田市にある国際版画美術館は、版画に特化した美術館で、西洋と日本の作品を網羅しているようです。今回初めて来館したのですが、芹ヶ谷公園に隣接する閑静な雰囲気と広々とした館内構造がとても素敵な場所でした。

展覧会では、凸版、凹版、平版、孔版などの各版画技法ごとにその解説と作品を紹介しています。

展示内の各技法の製作工程をわかりやすく説明した映像を踏まえるとより理解が深まりました。

ざっくり説明すると、、、

【凸版】
木版に代表される、色を塗りたい部分を残して彫っていく方式。

【凹版】
エングレーヴィングやドライポイントのように鋭い針やナイフで銅板に直接描いていき、色を塗りたい部分を彫る方式。
エッチングは、その技法の中で腐蝕作用を活用した技法です。

【平版】
化学反応を活用した技法で、インク部分にのみ色が残るようにクレヨンなどで描く方式。

【孔版】
孔にインクを通す方式。スクリーンプリントなどの技法があり、唯一反転せずに描画できる。

ぜひこちらの動画もみてみてください!

http://hanga-museum.jp/print/howtomakeprints

技法だけでなく、版画に用いられるコンセプトやその歴史、役割についても知ることができます。

一点ものではなく、版画技術により複製や保管ができるようになったことが美術の枠を越えた、版画の大きな意義にも思われます。

国際版画美術館がどのような役割も担っているのかを理解することもできる展覧会でした。

併設の常設展もぜひ見てみてください。
文学の挿絵に用いられた版画を鑑賞できます。

版画の技法や用語を知ることで、今後目にする作品で「これは反転して元絵が作られたのか」「この技法を使っているのか」などを実感できるのが楽しみです。

◆公式サイト

http://hanga-museum.jp/

展覧会は12/5㈰までです。

※解説パネルなどを参照しています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


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