じぶん物語002 アイドルヲタく全史(後編)

こんばんは、whipです。

意外にこの前編を読んでくださった方が多くありがとうございます(笑)!今回は後編となります。【第3章:地下アイドル時代】ですが、このパートだけで、三部作構成にしたいと思ってます(笑)。

正直、今となっては「地下アイドル」という言い方はしたくないのですが、世間的には「地上」「地下」の方が親しみやすそうなので、この表現を使わせていただきます。

そもそも、「地上」「地下」に関する定義は、

◆地上アイドル:メディア露出をメインとしている。

◆地下アイドル:ライブパフォーマンスをメインとしている。

と当時は把握していたのですが、昨今、この境界線はすごく曖昧な気もしています。なので、個人的な定義としては以下を設定したいと思います。

◇地上アイドル:ほぼ一方通行なコミュニケーション。

◇地下アイドル:双方コミュニケーションが可能。

双方コミュニケーションと言っても、俗に言う「繋がり」とかそういう意味ではなくて、SNSや特典会の場を経て、お互いにコミュニケーションが取れるという意味合いです。。。

今回は、「地下」に潜った時代にどんな出逢いがあったのかを端的にまとめていきます。自分で振り返っても、この頃は本当にたくさんの思い出があるので、細かい点や想いみたいなものはまた別の機会に書きたいと思います。

ざっと、地上時代が1999年~2017年(約18年間)に対し、地下時代は2017年~2021年(現在進行形)と約5年くらいなんですが地上以上に目まぐるしい思い出ばかりだったと感じます(笑)。

それでは、、、


【第3章:地下アイドル時代】

《第1部:地下世界との出逢い》


地下現場に初めて訪れたのは、前職の先輩がヲタくにハマり始めたことがきっかけでした。先輩は僕以上に行動力の塊みたいな人で、「地上」には最初から興味がなく、最初から「地下」をメインにヲタくをはじめていました。1ヶ月と経たないうちにアイドルと撮ったチェキの数が名刺入れパンパンになるくらいで驚愕したのをつい昨日のことのように覚えています。

最初に地下アイドルとして出逢ったのは、「原宿物語(後に改名して「monogatari」)」というグループでした。パフォーマンスや楽曲にハマってしまい、ずぶずぶ地下アイドルの世界に浸かってしまったんですよね(笑)。地下アイドルの共通目標みたいなものに、当時は「大きなライブ会場でワンマンライブをやる」というものがあり、その目標に自分の想いも重ねて応援できることに地下への最大の魅力を感じていたんだと思います。

アイドルが集結するフェス「TIF」というものが毎年8月初めにお台場周辺で開催されるのですが、そのメインステージに立つことが、当時の原宿物語が目標としていた大きなステージの一つでした。このステージに立つために「前哨戦」「決勝戦」というファン投票で競い合う形式の対バンライブが事前に行われていて、ちょうど「前哨戦」が開催される頃に僕は地下に目覚めてしまったんですよね。全てを勝ち抜いたグループだけがTIF当日のメインステージで披露する権利を勝ち取れるという仕組み。こんなの、ヲタくの土壌を既に作り上げた僕が夢中にならない訳がないんです(笑)。

結果的にこの年、原宿物語はメインステージに立てませんでした。決勝戦までは進んだのですが、その地で完敗。悔しくも、夏のアツい思い出が一つ増えたことを実感してその後も応援を続けていました。そして、その約2年後の2019年、彼女たちは自らの力でTIFのメインステージに立つことができたんです。その時はこみ上げる涙が止まりませんでした。

パフォーマンスも素晴らしく、メンバーの個性や容姿も素敵なこのグループは残念ながら2020年2月に解散してしまいました。最後に聴いたあの日のmonogatari(楽曲名)は忘れることができません。こうして僕の地下アイドル第1部は幕を閉じました。

原宿物語で僕が一番好きなのは、「瞳を覗いて」という楽曲です。


《第2部:郡司英里沙さん》


人生で尊敬できる人に出逢ったのは何度目だったか。その一人がアイドルとして活動していた郡司英里沙さんでした。彼女はPimm’sというグループで長年活動し、闘病などもありその人生は波乱万丈だったようです。「エモい」という言葉は彼女のためにあるようなもので、上手く言葉では説明できない感覚、気持ち、そういうフィーリングを感じさせてくれます。考え方や彼女のライブやパフォーマンス、ファンや関係者に対する想いに激しく共感しました。そして何よりも尋常じゃない歌唱力に心と耳が惚れ込みました。

Pimm’sにハマりはじめたのは、YoutubeAIによってアイドル楽曲が無作為に再生されたことがきっかけでした。そうしてAIの策略にはまって、楽曲に完全に魅了されてしまった僕は、気がついたらライブ会場に足を運んでいました(笑)。2019年はまさにPimm’sと郡司さんと歩んだ一年だったと感じます。それまで、決してしていなかった地方遠征をしたり、リリースイベントでCDを買いまくったりしました。関東で行けるライブやイベントには必ず足を運び郡司さんに会いに行きました。ちょうどこの頃、自分がアイドルヲタくをやっていた意味を考えていて、きっと郡司さんに巡り会うためだったんだろうなと本気で感じました。だからこそ、彼女との時間を無駄にしたくないと考えていたんだと思います。本当に充実していた日々でした。でも、それは長く続かなかった・・・。

その年の秋、彼女はPimm’sを卒業することを発表しました。それと同時に再び闘病することになり、しばし活動を休止することになりました。僕は虚無感の中に放り込まれ、真っ白になりました。でも、彼女はまだ辞めていない。彼女が帰ってくるまで、現地で彼女のサイリウム(黄色)を振り続けて待っていよう。そう誓ってライブにも通い続けました。その時期一番嬉しかったのは、別のメンバーがその姿を見ていてくれて、「whipのその想いは絶対伝わっているよ」と言ってくれたことでした。涙が止まらなった。思い出したら泣きそうです(笑)。そして、約1ヶ月で郡司さんも復帰し、残り約2ヶ月間という卒業までの日々を1秒も無駄にしないように過ごしました。

彼女が最後に立った地は渋谷のO-EASTというライブハウスでのワンマンツアーファイナルのライブ。僕が何より嬉しかったのは、この日、自分のイチ推しグループでもないのに、たくさんのヲタく仲間が来て一緒にライブを体感してくれたことでした。あの日、あの場所で観た景色を越えるライブは二度とないと思います。郡司さんに出逢えたことは、僕の人生の宝ものです。こうして第2部が幕を閉じます。

僕と彼女にとって本当に大切な曲「kimi to boku」をぜひ聴いてください。



《第3部:鹿沼亜美》


「ガチ恋」。ガチ(本気)で恋している状態を指す表現です。僕は鹿沼亜美という女性に文字通りガチ恋をして、それ以外のことを考えられない日々を約4年間続けていくことになります。。。今は、もうそうでないと信じたい(笑)。アイドルにガチ恋をしたのはこれが三度目でした(安倍なつみ→前田敦子→鹿沼亜美)。それまでと違い、直接認知がもらえたり、双方コミュニケーションが可能な地下の場だったので感覚が麻痺してしまったんだと今では感じます。。。

鹿沼亜美さんとの出逢いは、第1部でも触れた原宿物語のTIFメインステージ争奪ライブの前哨戦。この日、このライブ会場に彼女が所属するONEPIXCELというグループも出場していました。残念ながら、前哨戦の場で敗退してしまったのですが、僕はその時、完全に鹿沼さんに一目惚れしてしまってここから第3部が始まります(笑)。そう、地下時代は第1部~3部が同時並行で進んでいたんですね。。。

鹿沼亜美さんとも本当にいろんな思い出がありますが、それはまた別の機会に、、、。1部や2部でいろいろと経験をしましたが、いつだって僕の心には鹿沼亜美さんがいたから乗り越えてこれました。私生活で辛いことがあっても、彼女がいたから頑張ってこれました。会う機会はおそらく他のグループに比べて一番少なかったけど、一番彼女のことを考えていました。まさに、ヲタくとアイドルの関係を一番体現していたと思います。

そんな彼女たちも、実は2021年6月25日をもってして解散しました。いつかは来るという覚悟、それが実現した時、なぜだか自然とホッとしていた自分がいます。実感がわかなかっただけなのに。。。大失恋をした時のようにその後何日間も泣いたのは大きな声では言えませんが(笑)。そして、6月のラストライブを持って、僕のヲタく人生とともに第3章の第3部も終焉しました。長い長い旅を終えた気持ちです。

「Time」というこの曲に、僕は何度も救われました。支えてもらいました。鹿沼亜美さんとこうして同じ「時」を過ごせたことは僕の人生の中で、永遠に色あせることのない大切な時間だったと感じています。


こうして、僕のヲタく人生が幕を閉じました。約18年間、アイドルが人生のメインコンテンツでした。とても幸せだったし、ヲタくでいたから得られたこともたくさんあります。仲間もたくさんできました。経験もたくさん積めました。きっと僕はヲタくをやめることはもはやできないと思っています。別にやめるつもりもありません(笑)。でも、もうそれが人生の主旋律であることには少し疲れてしまいました。。。これからは、映画を観に行ったり、美術展に行ったり、ちょっと空いた時間にカフェ巡りをしたりするようなライトな気持ちでアイドルライブを楽しめたらと考えています。




実は、今も応援しているグループはいます。

「群青の世界」というグループなんですが、本当に楽曲が素敵なんです。僕をイチコロにさせた「未来シルエット」という曲をぜひ聴いてみてください。




1ヶ月に1回くらいライブにも行ったりしています。SNSでもメンバーと絡んだりしていますが、うん、これくらいの距離感というか楽しみ方が本当に良いなと常々感じます。深入りすればするほど楽しいけれど、その物語が終わってしまった時が本当に辛いので・・・。

コロナがもう少し終息したら、久しぶりにいろんなグループが出ているような大きい対バンライブにも足を運びたいですね。ヲタく仲間とカラオケに行ったりして懐古に浸りたいです(笑)。

僕の人生はヲタくでした。アイドルヲタくって誇れるものではないかもしれないけど、僕の世界線では絶対に必要な出来事でした。だから後悔とかそういうマイナスな気持ちはありません。全ての出逢えた推したち、グループに感謝しています。出逢った楽曲は永遠に僕のプレイリストです。

monogatariの歌詞が本当に素敵で、まさに僕の人生そのものを表しているので最後に紹介します。


「私と、僕の、物語。」


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。30分くらいで書き終える予定が2時間くらいかかっていました(笑)。

次回まで、何卒!

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