欠片

いつからだろう なんて思い返しても
時間が刻々と近づいてくる 分かってる
いい加減気がついていい頃 でも今だけは
見知らぬふりしてよ 今はただ君を感じたい

聴き慣れたはず言葉なのに 新鮮で聞こえる
見慣れたはずの風景なのに 見慣れた街が眩しい
それでも時が止まったような感覚 静かな音だけが響く
君といる時だけに感じるのは なぜ?

五感さえも君に囚われた 時間が止まった気がして
手に触れたら 全てが変わってしまう気がして
届きそうで 届かないこのもどかしさ
声をかければ 振り向けそうな距離なのに

それさえも今は 目を離せそうもない

金縛りにあったかように 一歩も前へ近寄れない
ただ一つだけ 分かるのは君に心を奪われた
言葉に 吐息に そして視線 体温さえも
全て君に奪われた どうしたらいい?

聴き慣れたはずの音楽なのに 今は恋しくて
見慣れたはずの風景なのに なんだか切なくて
心の奥にある暖かさ 君が現れてからずっと
感じているそれさえも 今は愛しくて

僕の名前を呼ぶ声が 今は心地良いんだ
ずっとずっと 聴いていたいその声を
呼びかける声も 仕草も 表情も 全て
そっと握りしめるその手も 温かくて

その手を離したくない 離させないで
どうか その手をずっと…

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