Eternal Weekend 2019 アメリカ TOP8

公式サイトにてTOP8が公表された。Let's see!

アーキタイプ

3 逆説(2 RUG,1 Esper)
2 RUG Superfriends
1 STAX
1 Jeskai Dreadhorde
1 墓荒らし

ご覧のとおり、アーキタイプはいい感じにばらけている。

強力なプレインズウォーカーとその回答

しかしながら、卡単位で見ると、プレインズウォーカーのあまりの多さに病んだものを感じさせられる。

・覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils 19枚
・王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns 8枚
・ダク・フェイデン/Dack Fayden 6枚
・レンと六番/Wrenn and Six 4枚
・ウルザの後継、カーン/Karn,Scion of Urza 1枚
・精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor 1枚

合計、実に39枚。1デッキに平均5枚のPWが搭載されたことになる。これらのPW、特にダク・フェイデンまでの3枚は初期忠誠度の高さに加え、アドバンテージ能力と妨害能力が同居しており極めて強力だ。特にナーセットは現在のヴィンテージで4番目に多い卡であり、ヴィンテージをプレイしていて彼女に出会わない日はない。

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この3枚はいずれもダブルシンボル3マナと軽く、Moxの力を借りて2ターン目には着地できるケースもままあることを念頭に、構築段階で対処する方法を考えると、次の3通りが浮かぶ。

1.無視する
2.出させない
3.すぐ除去する

1.は高速な勝利手段を擁するデッキが取りうる手段である。代表的なデッキとしてはコンボであるオースやストーム、ドレッジが挙げられる。また、線の太いアグロである白単エルドラージやサバイバルも該当する。
ドローが重要となるオース、ストーム等においては、先攻2~3ターン目に登場するナーセットの可能性を度外視した構築を取ることは余りにリスキーである。

ドレッジや上記のアグロなら、素通りして殴り切る(あるいは単にPWを殴って倒す)ことは有効だろう。とりわけ「クリーチャーをサーチするエンチャント」である適者生存が、上記3PWいずれも回避するとともに、高パワーの速攻ですぐ除去できることは特筆に値する。

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2.はコスト増加等を仕掛けるものであり、Workshopや白単エルドラージが該当する。Workshopはダクが通ってしまうと致命的だが、白単エルドラージは上でも触れたとおり3枚ともそれほど支障にならず、相性が良い。

と見てきたが、ドレッジ・白単エルドラージ等の一部を除いた多くのデッキは、彼らを避けて通ることはできないようだ。そこで3.が出てくるのだが、こいつらはいずれも忠誠度が高めであり、即座に盤面から剥がす手段は極めて乏しい。その数少ない1枚が、紅蓮破/Pyroblast(あるいは赤霊破/Red Elemental Blast)である。

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この卡はヴィンテージで赤を選択する有力な動機でもあり、上のTOP8でも、赤デッキは全てメインから紅蓮破を投入しているし、サイドまで含めて数えればPyro・REB合計20枚も採用されている。特に8位のエスパー逆説に至っては、サイドボードにVolcanic Islandを取ってまで紅蓮破と稲妻を投入している。

PW、特にナーセットVS紅蓮破の構図が強まることは、Workshopや白単エルドラージにとっては漁夫の利であり、紅蓮破がかつての精神的つまづき同然の「税金スロット」となりつつあるように思われる。精神的つまづきと違って、「紅蓮破対策に紅蓮破」は構造上あり得ないのが救いだが、今後の動向として、夏の帳/Veil of Summerといった非青のカウンター卡に注目が集まる可能性はある。

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