許されない渾名と経歴ロンダリング

岸田首相の容姿を揶揄する渾名をつけて、政府のODA (Official Development Assistance(政府開発援助))を無駄だと断ずる声があります。
もちろん実際に、例えば安倍政権時代と比べても、岸田政権になってから、ODAの提供額が増えているのは事実です。

一方で、政府はもっと丁寧に説明すべきです。相手国が困っている時に協力することで、日本の影響力が強まるという基本的な考え方から、日本製品・サービスの導入を前提にしている場合も多々ある、などです。殆どの国民は、本当にただお金だけを外国に配っていると思っているのではないでしょうか。

イギリスは2021年、コロナ禍による経済への影響の結果、厳しい財政難に直面しているため、ODAを見直すことを決定しています。そのイギリスの財政リスクはG7中ワースト2位です。対して日本はベスト2位と、経済的危機の度合いが随分、異なります。

太平洋戦争に負け、アジアの諸国に賠償しなくてはならなくなった時から、この枠組みが始まっています。例えばインドネシアには、当時のお金で合計2億2308万ドルの賠償を供与しました。

最近、経歴のロンダリングに熱心なデビ夫人は、その生き証人です。ですが、子供の頃、天才画家として知られていたが、お金が稼げないので諦めたとか、赤坂の街頭を歩いていた時、インドネシアのスハルト大統領に見初められて結婚したとか、途轍もない話にまで“盛られて”おり、吃驚です。インドネシアへのODAに深く関わった、ある企業が大統領との出会いをセッティングし、その結果、インドネシアに送り込まれたというのが事実です。

彼女の前にも1人の日本女性が送り込まれましたが、夫人と入れ替わるような形になり、命を経ってしまいます。

デビ夫人へのインタビューを軸にフィクション化された、日本航空出身の作家・深田祐介氏の著作「炎熱商人」が、一連の出来事を詳らかにしています。この本は既に絶版になっており、尚且つ、当時の事を知る人は次々と鬼籍に入ってしまったので、生きている人の言いたい放題なのでしょう。長生きは三文の得です。

インドネシアはその後、クーデターが起き、大統領が失脚。第3夫人の座を追われたデビ夫人の人生にも様々な紆余曲折が生じます。
彼女はおそらく死んでも口外できないことをたくさん、ご存知だと推察されます。もしかすると、それが彼女を守っているのかもしれません。

岸田政権を擁護しているわけでも(正直に申し上げて、ここ数年、自民党ならびに自民党の候補者に投票したことはありません)、デビ夫人を腐しているのでも(出川氏とのからみ、大変笑わせていただいております)ないのですが、岸田首相を「バラマキ眼鏡」だの「増税めがね」だのと呼び、それを一部のマスコミが、「憲政史上、最低のあだな」などと、平気でそのまま使うことに大変、腹が立っています。

首相なら、容姿を揶揄しても良いのでしょうか。ジャニーズ事務所の問題から所属タレントの皆さんを貶めるのと同様の、意見が異なる相手、何か問題のあった人、企業、団体をどんなに貶めても良いとする姿勢がここにもあります。大変、醜悪。

ついつい筆が滑ってしまいました。

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