地方底辺国立大学が研究職につくということ。

僕は勉強がそもそも得意ではなく、地方国立大学の工学部に進学後、目立つような成果も得られることもなく粛々と大学院を修了して某大手企業へ就職した。

入社した企業に研究所があることは知っていたが、研究所に入る頭脳や成果も、そしてなにより自信がなく開発や製造に配属されるのだろうなと思いながら過ごしていたそんな時、たまたま大学院でやっていた研究が会社の目にとまり、数少ない枠である企業の研究所に入らないか?とオファーを頂いた。

すぐに返事をできなかった理由は、研究所内には旧帝大や早慶を含む優秀な大学を出た人や博士持ちなどゆわゆる高学歴が多く、自分が研究所に配属となると、

え?何で地方大出身の人が研究しているの?え?しかも修士?

という声がどこからともなく聞こえてくるような(実際そういう声もあったでしょう。)ことを予感したからである。そして何よりそれを逆転できるような一転突破の能力など自分にはないことを自覚していた。

ただ、その打診から数カ月後、私は研究所を希望した。それから6,7年経つが今でも当時のその決断は正しかったと確信している。

今でも少なからず学歴コンプレックスというのは消えていないのは本音だが、いくつか時を経て自分のような決して高学歴ではない人でも並の研究員として働けていると自負している。

工夫点として2つ挙げさせていただく。


とりあえずやってみること

とても単純なようだが非常に重要である。深い思考力から出てくるアイデアではなく、素人だからこそ浮かぶやってみないと分からないワンアイデアというのは存在する。めんどくさがらずにそういったチャンスに無心になって飛びつくこと。

成果を目に見える形で示す。質ではなく量。


学歴というのは会社に入るまで実績ではあり、入社後もそれをベースに判断されることもないとは限らないが、入社後の成果は論文や特許の数を見る方が妥当である。先述したように行動力をもち実際に手を動かして課題にぶつかり、その課題を乗り越えることが論文や特許の数に繋がる。特許の数や論文の数というのは、たとえそれが質が高くなく大きな成果ではなくとも客観的な指標にもなるし何より入社後の実績として大きな自信となる。

研究というのはどうしても高学歴じゃないとできない先入観はあると思うが、決してそうじゃない人でも行動力があればある程度までは上り詰めることができると信じて働いている。

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