次世代の学びの形

オンライン講義が急速に広がり、大学では後期もすべてオンラインで行うという私学も多く出てきている。

世界最高峰と言われるミネルバ大学は、その設立当初から全てオンライン前提で講義が行われている。(講義はオンラインだが、学生は基本、全寮制というエリート丸出しな大学でもある。)

日本のオンライン講義は使い慣れていない面が大きく影響して、対面講義よりも効率や定着率が悪い面も多く見られるようである。

しかしながら、世界最高峰と言われるミネルバ大学において、その卒業生の高い評価を考えると、オンライン講義であっても十分に効果を発揮できると考えられる。

とはいえ、実習や実験など体験や機材が必要なこともあるので、一部においては直接の指導が必要な講義も残ると考えられる。とはいえ、そういった講義は集中的に合宿形式で行うこともできると考えられる。

このような状況が進んだときに、今までだったら、地方の子どもたちは、進学の際に首都圏へ出ていくことが多かったが、その必要性が極めて小さくなる。

更にこの考え方が進んでいけば、大学という概念もかなり変わる可能性がある。簡単に言えば全てが放送大学のようになる。

例えば、放送大学には入学試験はない。また、どうやら入学定数というものもない。実習が必要な部分はスクーリングにより実施している。日頃のフォローは各県にいくつか点在する学習センターでフォローする仕組みになっている。

今ある大学も、このような仕組みに変わっていくのではないか。そうしたとき、大学の淘汰が進むだろう。だって、今まで物理的な制約でしかなかった定数が無くなることを意味している。

その制約により、入学できなかったことを考えれば、有力私大の中から、完全オンラインの場合は、入学試験を課さず、授業料も格安とするところもでるだろう。元々、通信制の場合は入試もなく授業料も安く設定されている

こうなれば、地方の弱小大学は厳しいと言わざるを得ない。とはいえ、集合での講義ができない以上、結局、オンラインで対応せざるを得ず、であれば有力私大に太刀打ちできないだろう。

更にいうと、オンラインであれば、日本にこだわる必要性はない。また、即時翻訳もかなり進んできている。言葉の障壁すらもなくなりつつある中で、世界で競争となれば、ベストレート(最も費用対効果のある)大学に集約される。それは、学生の立場においては、良いことだと思うが、世界レベルでない日本の大学にとっては、より厳しい時代となることを意味している。

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