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#78 さあ、次は何する?【書評】TSUTAYAの謎


◾️はじめに

3週目は企業の本を。今回はレンタルショップから、家電屋さんにまでなったTSUTAYAさん。

◾️要約

一貫してライフスタイル提案をしてきた創業者の増田さん。人をワクワクさせようという思いがベースにある。データに踊らされるのではなくデータからワクワクの種を探して、データで論旨を補強していく。企画屋として挑戦する人を組織に生み出し、それを後押しすることでこれまでの蔦屋の変革が生み出されている。

◾️感想

川島さんはほぼ日の本”すいません、ほぼ日の経営”も書いている人。
なのできっと面白い本なのかなぁと楽しみ。
経営者の話は面白い。自ら起業された方なら特に。
そこには相当の苦労もあるのだろうけど。
社会とは、ビジネスとは、人の接し方とは、人とは、
捉え方がそれぞれ違い、それの正しさなんてないのだけど
その捉えた上で、自分が考えることを実現する、
そのために企業という組織を作る。
そこで成功された方なので示唆にとむ。

今でこそコト消費、体験を重視と言われているが、
それをまさに先駆けて実施したところもすごい。

◾️要約(詳細)

◆第1章 なぜTSUTAYAが家電店?
二子玉川の蔦屋家電の話。
インターネットには物量では敵わないので、リアルでしかないワクワクを提供する店を作る。
生活自体をお勧めする店舗を作るという企画である。
生活提案を100通り以上し、こんな暮らししたいな、が感じれる店舗を作りたいと思った。
それを自分で現場を走ってアイデア出しをし、企画した。
モノをそのまま売るのではなく、モノで未来の生活を提案する、だから家電だった。
本、映画も情報を発信するメディア。
それを扱ってカルチャーをコンビニエンスにしてきたTSUTAYA。
それが今度はリアルで生活を発信する場を提供するということになった。
これは自然な流れ。

※なんで家電店はテレビならテレビ、冷蔵庫なら冷蔵庫をならべて売っているんだろう。(比較だけならインターネットサイトに敵わないのに)という疑問から全ては始まるのね。

◆第2章 なぜ、巨大書店を全国展開?
代官山蔦屋書店の話。
ここは効率ではなくわざわざいきたいお店を作る。
お金も時間もあり、ファッションやトレンドが気になる世代の団塊世代がターゲット。
従来の本屋の並べ方をかえ生活提案を軸に作り直した。
そのほか、図書館、家電、商業施設にもイノベーションを仕掛け、書店のノウハウを武雄市図書館に。
根底のブランドは活かしつつ、地域に根ざした個々のお店、施設を作りあげる。
これがものが満たされたレコメンデーションが求められる時代にあっていた。

※リアルならでは、行って初めて感じる感覚、を大切に。物理的な広がり、空間として広い中にバーと並べられているとなんか壮観だよね。

◆第3章 なぜ、ビッグデータより勘なの?
ビッグデータは情報の集積であり、事実そのものではない。
そこから事実を導き、企画に活かす。
企画会社として一番になりたいので挑戦が社員には必要。
ビッグデータから顧客をプロファイルし、そこにさらに幸せになるための”!”をいれ企画にする。
客観的に見て、人を巻き込んで実現する。
そして信用を得ていく。理想は個人の趣味嗜好に応じたレコメンデーションの仕組み化。
ビッグデータとコンシェルジュの掛け合わせ。

※あの人のオススメ、であの人、は有名であることより知っている、かつ信頼できる、の方が大切。

◆第4章 なぜ、おんなの気持ちがわかるの?
利他の考えが最後は自身の幸せに繋がると肌身を持って知ってきた。
喜ばせることが幸せに繋がるというのを間近に見てきた。
会社を企業してから組織が大きくなってからも同じ。
常に感謝と約束を大事に、人の幸せに繋がる企画を生み出す集団にしたい。
そう思って生きてきた。

※感謝そして約束。約束のために感謝を忘れない、感謝してもらったから約束はちゃんと守る。

◆第5章 なぜ、会社を「小さく」するの?
社員が組織の力を使って能力を発揮できる適切なスケールに組織を保つ。
それ以上なら分社化していく。
イワシの群れのように皆が同じ方向を目指していけるように。
ヒューマンスケールで顧客価値の最大化を狙いライフスタイル提案をしていく。
これからも増田さんはやっていくんだろう、新しいことを。

※あまりに組織が大きすぎると自分のやっていることの影響が見えず、よくわからないことになってしまう。

◾️アクション

人が今後何を求めて行動するか、考えてみる。(OMO,リアルとネットの境界なしにサービス提供を考えてみる)

◾️読みやすさ


★★

◾️ハッシュタグ


#TSUTAYA

#川島蓉子

#増田宗昭

#蔦屋家電

#蔦屋は江戸時代も本屋

#T -site

◾️纏わるショートストーリー


「ちっちゃい本屋って減ったよな」
「うん」
「おっきい本屋ってなんか楽しいよね」
「うん」
「バーっと本が並べられてて”おぉ”って思う」
「うん。おっきい図書館でもそう思う。」
「最近はカフェが併設されているところもあるけど、始めるときは大反発されたそうで」
「え?なんで」
「ただ読み、回転率が落ちる、ということで」
「なるほど」
「一昔前には有得ないとされたことが今じゃ普通ってことか」
「前回のニュータイプの時もその話でたね。」
「うん。逆に昔はたまに経験したけど、最近になって久しぶりに体験してうわーって思ったことあるんだけど言っていい?」
「いいよ。」
「スポーツ用品。ネットでしか買わないんだけど、この前でっかいスポーツ用品店に行ったら大興奮」
「何が?」
「いや、サッカーならスパイクが、ボールが、ユニが、野球ならバットやグローブがずらっと並んで、触って見ることができる。それがなんか興奮したね」
「スポーツすんの?」
「息子の野球用品もネットでスペック見て買うだけだったけど、実際に見ると、なんかいいよね。」
「体験、の価値ね」
「そう」
「ネットも映画とかに出てくる仮想空間で、本がそれこそズラーっといくらでも並んでるような世界になるとまた違ってくるのかもね。」
「VR的な?」
「うん、旅行とかもそうだけど、平面だけでない感覚まで感じれるとね」
「そうねー。VR動物園とか、もうありそうだけど。」
「まあ物理的に汗水垂らして車で行くのが一番なんだろうけど」
「何と比べて一番か知らんけど。そんなことも言う人もいなくなるんだろうね、そのうち。」
「うん」

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