Board に対するFoilの角度

背景動機

Hydro FoilにおけるBack WingのAttack of Angleについての考察 で、Back Wingの角度について考察したが、FoilとBoardの角度について考えてみたい。

動機となったのは、Wing Foil Board Advance V2 90L で飛び初めが難しかった事だ。テイルロッカーがきつくて、Foilが下を向いてるのではないかと考え、2~3度のクサビ上の板を、ボードとフラットプレートの間に入れて、Foilの前が持ち上がるように調整する事で解決した。

基本的な原理

テイルロッカーがきつくなると、Foilの前が下がり飛び出しにくくなる。テイルロッカーが無いボードであれば、比較的飛び出しが容易になる。

2021のStarboard Wing Boardを見ると、フラットプレート取り付け部分のみが、テイルロッカーが無く、ストレートになっている。走りを重視しているのかもしれないが、これによって、ストレートが長くなっている。特にWingを意識したFoil Boardでは、後半部分のストレートが長くなっている様に思える。一方SUP Foil Surfingがメインのボードの場合は、波のフェイスの中での角度になるので、水平を基準にするのはあまり意味がないかもしれない。

フライト中の挙動はフォイルの角度を基準にする

ただしライダーはそれを感じ取って無意識に調整してしまうので、話はそう単純ではない。飛んで走っている状態を基準にすると、ボードの角度に関わらず、Foilは巡航状態、高度を維持しやすい角度になっていて、ライダーが無意識にその角度を調整しているはずである。それはおおむねフュースラージが水平な状態になると考えられる。

上記を前提とすると、ボードに対してフォイルの角度を変えるのではなく、フォイルはライダーが一定に保つので、フォイルに対してボードの角度を変えている事になる。実際に重力を基準にした水平に対してはフォイルは一定で、角度を変えた場合はボードの角度が変わると思われる。

フライト中については、概ね水平か、前向きにポンピングすることを考えると、少しノーズがさがったくらいが、乗りやすいのではないだろうか。

飛び出しはボードを中心考える

Wing Foilの場合は、いかに簡単に飛び出すかという事が非常に重大である。一般的にはフライト中よりもフォイルを上向きにすることが必要である。

飛び出し動作の場合は、少しノーズをあげて、ボードが水中に潜らないようにすることが必要だが、大きくノーズを上げると、元の状態に戻すのは困難になる。そのあため、少しだけノーズを上げた状態で、十分にフォイルが浮き上がる角度になっている必要がある。
テイルロッカーが強いボードの場合は、それによりフォイルが下向きになり、大きくノーズを上げる必要があり、その後水平に戻すのにより強い体幹がやスキルが必要になり、飛び出し動作が難しくなる。

飛び出し動作が苦手な人の場合は、少しFoilの前を大きめに持ち上げる事によって、簡単に浮上する。また、浮上直後にはボードの前が持ち上がることなく、水平になっているので、前を抑える動作も簡単になる。




 

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