Hydro FoilにおけるBack WingのAttack of Angleについての考察

背景

Hydro Foil では、Back Wingの取り付け角度を、SIMの変更、ワッシャーの追加、テレカ等を挟むなどして、変化させることによるチューニングが知られている。単純な説明としては、バックウイングを下に向けると、浮きが強くなり、上に向けると浮き上がりを抑えられると言われている。それ自体は、間違いではないのだが、浮きの強さは立ち位置の変化によっても変わるため、全体としてライダーにどのような影響を及ぼすかという観点では単純ではない。まだ分かっていない事もあるので、以下は全て仮説だが、現時点での認識をまとめておく。

考察に当たっては以下のページを参照した

前提条件

一般に、Front Wing, Back Wingを備える場合、Front Wingは上向きの揚力、Back Wingは下向きの揚力を発生させる。そのためFront WingのAttack of Angleは上向きの角度が正、Back WingのAttack of Angleは下向きの角度を正とする。

仮説

以下に、現状の仮説を記述する。残念ながら、筆者には十分なライディング経験および、流体力学の知識がないため、確実な情報ではない事はご承知おきいただきたい。

スピードとの関連
スピードが上がるほど、Back WingのAoAを減らす。AoAを減らすとストールする限界速度が上がってしまうたため、最高速度を上げるより、最低最低速度を上げることが重要である。スローダウンしないスキル、海面がフラットである事、ウイングがジャストサイズである事などでAoAを減らす事ができる。
スピードが低い場合は、ストールする限界速度を下げるために、Back WingのAoAを大きくする必要がある。

ライダーのスキルとの関連
ライダーのスキルが低いと、失速する場合が多くなり、最高スピードもさほど高くならず、揚力の絶対的な大きさによる飛び出しも少なくなるため、AoAを大きくした方が乗りやすくなる。
ライダーのスキルが高い場合、特に波乗りよりも高速に走り続けたい場合には、AoAを小さくすることによって、抵抗が小さくなり、浮き上がりが小さくなる事により、高速でのライディングが可能になる。

ライダーの体重との関連
技術的には、飛び上がりを抑えるための前足荷重が重要ではあるが、全体の揚力と、重心のバランスから考えると、ライダーの体重は基本的には、ノーズをあげる方向に力を加えているのが、定常的な状態である。そのため体重が軽いライダーは、AoAを大きくして、ノーズをあげる力を追加する必要がある。それによって、後ろ足をより前に置いて、前後の足の幅を狭くしてもライディングが可能になる。後ろ足にいつも力を入れる必要がある場合は、Back WingのAoAを大きくする事を検討すると良い。

Back Wingの面積との関係
同じFront Wingに対して、組み合わせるBack Wingを小さくしたときには、Back WingのAoAを大きくすることで、前にある重心を持ち上げる力を同等に保つことができる。逆に大きなBack Wingをつけた場合には、AoAを小さくすることで、抵抗を減らす事が可能である。

効果

AoAを小さくする効果
Back WingのAoAを減らすと、Back Wingの抵抗が小さくなり、スピードを上げた時の浮き上がりを抑えることができるため、スピードを上げることが可能である。

AoAを大きくする効果
Back WingのAoAを大きくすると、低速でも安定して、浮き上がる力をキープできる。そのため、失速しがちなとき、スキル不足のライダーが安定して走るために有利である。道具とライダーが同じでも、荒れたコンディション、ウイングサイズがジャストでない場合は、いつもより少しAoAを大きくすることで、乗りこなせる場合がある。

症状とBack WingのAoA

AoAを大きくすると良くなる可能性がある症状
・飛び出したり、ストールしたりして、安定して乗れない。
・高度を保つために、後ろ足の膝を曲げて、いつも荷重を調整している。
・同じ道具で、他の人よりも体重が少ない。
・スキルが低い。
・体重が減った。
・いつもよりBack Wingを小さくした。
・海面が荒れている。
・ウイングサイズがジャストでない。ガスティー。

AoAを小さくすると改善する可能性がある症状
・Foilの水中抵抗が気になる。安定飛行は余裕がある。
・前よりスキルアップしたので、よいスピードアップしたい。
・もう少しボードの後ろ寄りに立ちたい。
・体重が増えた。
・いつもよりBack Wingを大きくした。
・海面がフラット
・ウイングがジャストサイズで風も安定している。

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