Wingのリーディングエッジ、ストラットのリペア
Wing のリーディングエッジやストラットは、Hydro Foil の羽根の先端が当たると簡単に切れてしまう。キャノピーの破れであれば、テープなどで簡単にリペアすることもできるが、リーディングエッジやストラットには、圧力がかかるため、単純なテープのリペアでは破裂する可能性がある。ヨットやカイトのセイルリペアを手掛けている修理屋さんにお願いすれば簡単・確実だが、お金も時間もかかってしまう。
ここでは、KiteFixのキットと日本船具のリペアークロステープ(スピンクロス)を使ったリペアの実例を紹介する。
その他には、アイロンで接着するKit Aidという製品もあるらしい。
今回の補修箇所はこれで5cmくらい切れている。切れた理由は分からない。幸いにして中のブラダーは無事だった。ブラダーの修理については機会があればまた書きたい。もしブラダーが破れている場合は、以下の作業はブラダーを抜いた状態で行う方が作業が楽になり、ブラダーをさらに傷める心配もない。
切れている箇所を整える。
補修作業を楽にするため、ほつれている糸を切った。もしかしたら残しておいた方が、強度が上がったかもしれない。
接着面をアルコール洗浄する。
KiteFixに付属しているalcohol swab(アルコール綿)で、補修箇所を拭いて汚れを取り除く、これをやっておかないと接着が悪くなるので忘れずに。裏側にも張り付けるので、裏も拭いておく。最初に裏側だけ拭いて、あとで表を拭くと、裏に張り付けていた粘着剤が溶けてしまうので、最初に裏表両方拭いておく必要がある。次の作業を行うまえに、しっかり乾かす必要がある。だいたい10分くらいで乾く。
裏側からKiteFixに付属のダクロンテープを貼る。
裏側からテープを貼るのは手技的にちょっと難しいが、内側から圧力がかかるので、何とかうまく貼っておきたい。KiteFix付属のテープは比較的コシが有って、粘着力は弱めなので、試行錯誤すればたぶん何とかなる。細めの六角レンチの先などで押し込むと良い。日本船具のスピンクロスのテープだと、ふにゃふにゃなので、難しいと思う。
ダクロンテープの位置決めのために、接着面にマーカーでしるしを付けて作業した。作業性は良かったが、完成時にこの線が透けて見えてしまった。もう少し目立たなくするか、あとで剥がせる目印が良かったかも。
FiberFixを表側から張り付ける。
FiberFixを貼った周囲にマスキングテープを貼る。
画像はGluFixを塗った後になっているが、もちろん塗る前にマスキングテープをはる。
GluFixをFiberFixの上から薄く塗る。
チューブから直接Fiberの上に絞りだして問題ない。アプリケーターを使って中から外にマスキングテープに余分なGluFixを押し出すように表面をならす。
塗り終わったら、すぐにマスキングテープを剥がす。
これをさぼるとマスキングテープが張り付いてしまうので注意。アプリケーターもアルコールなどですぐに拭いておいた方が良い。放置するとGluFixが取れなくなって再利用できなくなる(と思う)。
1時間乾かした後にもう一度、GluFixを薄く塗る。
マスキングテープをもう一度はる。アプリケーターを使ってGluFixを薄く塗る。マスキングテープを剥がす。
その後、次の工程に行く前にこの状態で24時間乾かす。
次は上からリペアークロステープを貼るのだが、テープを貼ってしまうと乾きが悪くなるので、テープを貼る前に一晩放置しておく。
表面にリペアークロステープを貼る。
一晩おいて、GluFixが乾いたら(ちょっとねばついているが問題ない)、上から、角を丸めて大きめに切ったリペアークロステープを貼る。FixeKiteのマニュアルでは当然付属のDacronテープを貼ることになっているが、どうも粘着力が弱い。また色のバリエーションも少ない。強度的にはこれまでの工程で確保されていて表面の保護だけと思われるので、粘着剤の強度に優れていて、薄くて軽くて柔軟性もあるリペアークロステープを使った。
これで見た目は完成である。リペアクロステープも粘着剤が定着するのを待った方が良いので、利用するのは、翌日以降にする。
確認する。
修理がおわったら、次に使う日まで置いておくのではなくて、一応空気を入れて、問題が無いか確認する。もしブラダーを抜いている場合には、ブラダーを入れて、慎重に空気を入れる。ブラダーがねじれていないか、中でブラダーが補修材で接着されていないか、気を付けながら空気を入れて、補修箇所に引き攣れなどが無ければ、完成。
KiteFixの入手
今回使ったキットは1万円くらいの物である。KiteやWingを扱っている店に聞いてみると良い。Amazonにも有ったが、値段が倍くらいしたので要注意。
リペアークロステープ(スピンクロス)の入手
ショップでも買えるが、8色あって全色常にそろってないと思うので、アマゾンで買うのが良いかも。
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