SS デジタル混入島 #毎週ショートショートnoteの応募用
「デジタル禁止ね」
「はぁ……」
古来から存在する禁忌の島の研究施設に行く事になる。今時スマホも持てないのは不安で仕方が無い、常に情報が無いと置いてけぼりにされる気分だ。誰かとつながりたい、孤独が恐ろしい。上陸する時に船のロッカーに電子機器を入れる規則だが、俺は隠して持ち込んだ。
「この岩石を研究している……」
古代に落ちてきた隕石を祭っている、隕石の近くではデジタル計測器が壊れてしまう。表面が黒く重そうな隕石を見ていると、脳の中を探られている気分になる。
「疲れているんで……」
早々に個室で休みベッドで寝てしまう、朝になると妙に静かだ。研究員を探すと誰も居ない。隕石を調査する部屋に行くと、声がする。
「デジタル装置経由で、あなたに通信が送れたわ……」
隕石は孤独なケイ素生物だった、0と1だけで会話する彼女は誰かとつながりたい、俺が持ち込んだ装置で彼女は人間と話せる。
「世界が変わるわ……」
後のデジタル混入島事件として有名になる世界破滅の序章だ……
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