SS サーカスの馬※解決編【りんご箱】 #シロクマ文芸部
※BGMにどうぞ
りんご箱を見ると涙がとまらない。まふゆは泣いている子馬を見捨てた。
悲しげな声が耳に残る、激しい後悔と苦悶を感じて、まふゆは猿に相談する!
「なんでゆりちゃんをサーカス団に行かせた!」
古来から馬の守り神とされる猿は、神通力を持っている。猿は印を結ぶと真言をとなえた。
「おんあびらうんけんそわか」
巨大な猿に変化すると、まふゆを抱きかかえて、そらかける。漆黒の天空を豪速で駆け抜けた。あまりの早さに月さえもあわててよける。
「あのサーカス団か」
赤白のテントを見つけると地響きを立てて仁王立ち!
「やいやい、うちの娘をかえせかえせ」
ぬっと出てくるのは山高帽をかぶった身の丈八尺(2.4m)のサーカス団長
「この馬は器量よし、返すわけにはいかぬわぁ」
巨大な猿とサーカス団長はがっつり組み合うと、まずは力比べ、ギリギリと指をからめて力をこめる。
「うぬ、人間にしては強いが、なんのなんの」
指をからめたまま、サーカス団長を地面に叩きつける。そのまま背負うとバックブリーカー
「やめて、団長さんをいじめないで」
栗毛色のゆりちゃんが、必死に止めに入る。まふゆはゆりちゃんの太い首を抱えると大声で泣き出した。
「ごめんね、ゆりちゃん怖かった、サーカス団が怖かったの」
奇跡が起きる!!
人の姿に戻ったゆりちゃんは、呪いが解けた。
「ゆりちゃん、ごめんなさい、私がサーカスで働くわ」
それを見ていた猿はサーカス団長を優しく地面に降ろす。
「いやいや猿どのは強い、お前がまふゆか。美しい髪をしている、うちの空中ブランコで仕事をしてくれ」
やさしい世界で美しい少女が二人で嬉しそうに抱き合うのであった。
終劇
すいません、コメント来すぎて急いで作ったので許して(笑)
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