怪談 ボール 【#写真de妄想】#青ブラ文学部(550文字くらい)
「ねぇ、野球ボールが落ちてる」
「どこ?」
フェンスの近くを指さす男の子、友達が見ても何も無い。
「ないよ」
「あれ? ボールあったのに……」
側溝の近くで見たボールは無かった、ただ側溝の穴から暗くよどんだ水が見える。翌日になり教室で噂を知る。
(お化け側溝だろ?)
(十円を落とすと消えるんだって)
町内の怖い噂話、どこそこのマンションのポストには、猫の首が入っている、見た子は誰もいないけど噂だけはある。
「お化け側溝って何?」
「あの近くで十円を地面に置くと側溝から手が出てとっちゃう」
「うそだー」
「でも翌日には百円が置いてある」
本当ならみんなが大金持ちだ。怖い笑い話だと思っていた。帰り道に、あの側溝に近づく。野球ボールが地面に置いてある、古く汚れたボールが足下にコロコロと転がる。
(……昨日は無かったのに)
野球ボールを取って側溝に近づく、穴から手が出る? 出るわけないよ、穴に顔を近づけた。
xxx
どこかで救急車のサイレンが鳴っている。あの側溝で子供が倒れていた。首がちぎられて無くなっている。代わりなぜか老人の首が落ちていた。
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