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雑多な怪談の話

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#note投稿企画

二十字小説 怪談二作目 #小牧幸助文学賞参加作品

一 遠く霞む果てない地下の湖を足一本で歩む。 二 ああ、と声を出したいが口がない幼い少女。 三 まぶたを縫いながら楽しそうに手探りの妻。 四 とても明るい光の前で立つ君は体から蒸気。 五 暗い部屋で、ぼそりとつぶやく腕の人面瘡。 六 くねるように踊る彼女は手足の関節が多い。 七 深い森を歩きながら手足からヒルが落ちる。 八 深夜のマネキンが巡回中の僕に色目を使う。 九 部屋を暗くすると手が現れて電気をつける。 十 果てなく文字を打ち、誰にも読まれない話。 #シロクマ文芸部

SS 左川ちか詩集【詩と暮らす】 #シロクマ文芸部

 詩と暮らすために詩集を買う。その本は希少本でめったに手に入らないと古本屋の老人におすすめされる。 「左川ちか……知らない詩人ね……」  キッチンでコーヒーを飲みながらページをめくる、奇妙な詩は時代性が存在しない抽象的で、鋭利な言葉を私に突きつける。 「本当に異質な言葉の連続……」  生活に疲れて仕事をやめた時の開放感と取り残されるような焦り。仕事は、お客さんに理解しやすい言葉を使っていた。今は真逆の世界を覗いてみる。  きがつくとベランダは真っ赤な夕日にそめられる