SS 隣の家まで、一本の蜘蛛の糸が伸びていた。 #ストーリーの種
隣の家まで、一本の蜘蛛の糸が伸びていた。蜘蛛の糸なんてすぐ切れそうなのにしっかり見える。触ってみる。しなやかで弾力はある。そして切れない。
「本当に蜘蛛?」
隣の窓が開くと幼なじみの結菜が顔を出す。
「朝陽なにしているの?速く寝なさい」
黒髪のショートの丸顔だ。狸っぽいと思うが絶対に言わない。殺される。
「いやこの蜘蛛の…」
言わない事にした。些細な事で好奇心を刺激すると結菜が騒ぐかもしれない。俺は判ったとうなずくと窓を閉める。朝起きると、キッチンで朝食を食べる。蜘蛛が天