マガジンのカバー画像

シロクマ文庫用と青ブラ文学部等の企画参加作品

65
企画された作品を置いときます
運営しているクリエイター

#恋愛小説

SS カレーパンが大好きな幼なじみはライバル【#ボケ学会のお題】(1300文字くらい)

 夏休みの登校日に、校舎裏でクラスメイトの男子が座っている。すらりと伸びた手足は少女のようにほっそりとしてカレーパンを食べていた。 「陸人、ここでお昼なんだ」 「甜芽、もぐもぐ、頼みがあるんだ、もぐもぐ」 「食べてからでいいよ」 「うんうん」  すらっとした容姿は、スレンダーな女性にも感じる。 「最近、リョウスケと仲いいよね」 「ああ、そうね、映画とか見てる」 「ふーん」  ちらりちらりと私の方を見ている陸人は、私の事が好き? (えーどうしよう、でも別にリョウスケと

SS うちのメロンパンは幼なじみと仲良しになる幸せのお人形だった話【#ボケ学会のお題】

 メロンパンに手足がついている。手作りのアクセサリーはお気に入りで通学カバンに大切につけていた。 「遅刻しちゃう」  いつもの曲がりかどを無意識で走り抜けると男子がいた。頭から腹に突っ込むと二人で転んでしまう。 「ごめーん」 「痛てええよ……甜芽か」  クラスの不良はリョウスケだ。 「げ!」 「げ!ってなんだよ」  幼なじみで小さい頃から知っているが中学に入ると背がでかくなる。私は背が低いので並んで歩くと小学生に勘違いされた。 「悪かった、でもあんたも悪い」 「