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雑多なSF設定

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SF設定の小説を集めます ・ケモナーワールド ・ジェリービーンズ ・猫探偵
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#ファンタジー

SS 俺が神になれた理由

「俺は神だ」  指でくるくるとハンドスピナーを回すがアマゾンで買った銀色の丸い磁石だ。丹念にまわしていると退屈しないが、こんなものでも1000円はするから、本当にアイデア勝負なんだと思う。 「それで神って何?」  眼の前にいるのは幼馴染でイトコだが、男になりたいからと性転換手術を考えているボブカットの少女で丸い目を大きくしながらまつ毛をパチパチさせている。 「全知全能かな?」 「なんでもできるんだ」 「嘘ぴょーん!」 「それはいいから神って何」  ギャグを入れて笑わ

ストーリーの種:あいつが転校してくるまでは、俺がこの中学校いちの変人だったのに。

「あなたは変人じゃないわ」  俺にとどめを刺すように転校生は宣言する。俺は胸に手を当てると片膝をついた。 「君は俺を殺す気か! 」 「お芝居が大根」  冷静に分析されると俺も冷めてくる。確かに芝居している自覚がある。心から本気で演じているわけでもない。それどころか信じてすら居ない。自分の作った設定を利用して、自分は他人とは違う事をアピールしているだけ。大人しそうなメガネの美少女は、俺の心をえぐる。あいつが転校してくるまでは、俺がこの中学校いちの変人だったのに。 xxx

SS 朝の時計 #爪毛の挑戦状

「起きて」 体を揺らされる、夢を見ていたが忘れてしまう。俺は時計をつかむとまだ朝の六時だ。ベッドから起きる。朝食の用意をする。昨日買った食パンをレンジに入れてチンする。朝の時計は電波時計で正確だが、鳴る前に起きてしまう。目覚ましの意味が無い。 仕事場でパソコンを使いながらデータを処理していると夢の事が気になる。 「どんな夢だったかな?」 夢を見ている時は鮮明だ。夢の中で生きている自分がいる。中断されるとそれが霧散する。現実が消滅して後には何も残らない。 「夢みたいもんか