SS ルールを知らないオーナメント #毎週ショートショートnoteの応募用
青い宝石の中で白い星に見える傷が無数にある。それがまるで銀河の恒星にも感じた。
「この白いものはなんですか?」
「ホウ素らしい……不純物が含まれている」
「それで複雑な輝きになるんですか……」
白衣の助手が拡大鏡の用意をしている。ふと助手がつぶやく。
「これが呪いの宝石……」
「そんなものは存在しない」
鑑定を頼まれた教授は、そろそろ二十世紀にもなるのに、呪いの話をされて不愉快に感じた。
彼の新案特許の『光学式増幅拡大鏡』は、とてつもなく微細に観察できる。レ