SS 心眼 【穴&心の目&子猫】 三題噺チャレンジ
石垣銀治郎は刀をゆっくりと抜く。気合いを込めて刀を振る。城主が見守る中での御前試合は負けられない。父は心眼を会得しろと静かに語っていた。俺に出来るだろうか?「心の目を持って敵と勝負するのか」つぶやくと真剣を鞘に納めた。
妹の石垣優江が近づく。「兄上、お夕飯ですよ」妹は縁談も決まっている。相手は、浅沼左衛門で御前試合の相手だ。俺が勝てば家禄は上がる。しかし嫁ぎ先の浅沼の方が下がるかもしれない。ただ命のやりとりをするわけでもない。そこまで勝負に、こだわる必要があるのか迷っていた