SS 溶けかかった雪だるまは、どうしてこんなに物悲しいのだろう。#ストーリーの種
大雪が降った日に太郎は雪だるまを作る。炭で目鼻をつけると立派な顔だ。太郎は嬉しくなり雪だるまに抱きついたが、冷たすぎて家に走って戻る。太郎は雪だるまが好きだ。
「――太郎、太郎」
寝ているとゆさゆさゆすられた、眼をあけると雪だるまが起こしている。驚くが母親の声なので、怪しみながらも起きて朝飯を食べた。囲炉裏には雪だるまが並んでいた、囲炉裏は炎で暖かいが、雪だるまは溶けないのが不思議に感じる。
「なにを呆けている、薪割りしろ」
雪だるまの父親に命令されて外にでる。昨日